◎キューバ共産党は2年ごとに選挙を行っているものの、共産党以外の政党の活動を認めておらず、国民投票を行うことも滅多にない。
2022年9月25日/キューバ、首都ハバナの投票所(Ramon Espinosa/AP通信)

キューバ共産党は26日、同性婚や同性カップルの養子縁組を認める法改正の是非を問う国民投票の結果を公表し、▽賛成66.9%▽反対33.1%で法改正は承認されたと発表した。

国営テレビは選挙管理委員会の声明を引用し、「国民投票は賛成多数で承認された」と報じたが、一部の地域では集計作業が続いているという。

共産党は2年ごとに選挙を行っているものの、共産党以外の政党の活動を認めておらず、国民投票を行うことも滅多にない。

400以上の条文からなる「家族法」は賛成多数で承認されると予想されていたが、国営テレビによると、教会コミュニティから疑問の声が多数寄せられ、反対運動も展開された。

この法律は代理出産、祖父母の権利拡大、高齢者の保護、性暴力対策も含んでおり、AP通信によると、教会関係者以外はおおむね賛成しているように見えたという。

この法律を推進してきたディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は25日の会見で、教会の主張に理解を示しつつ、法改正するか否かは国民投票の結果に委ねられると説明した。「私は国民の大多数がこの法律に賛成すると思っていますが、反対派の主張も否定しません...」

ディアスカネル氏は26日、ツイッターを更新し、国民投票の結果を祝った。「この法律を待っていた人々は何年も虐げられてきました。キューバはより良い国になるでしょう」

国会はこの法律をすでに可決しているため、近日中に施行されると伝えられている。

共産党高官は法律をおおむね支持しており、ラウル・カストロ(Raul Castro)前第1書記の娘はこの法律を「必要不可欠」と宣伝し、理解を求めていた。

しかし、キューバでは福音派の教会が増え続けており、一部の宗教指導者はこの法律が核家族を弱体化させると懸念を表明。公の場で反対を表明した。

キューバ革命の英雄フィデル・カストロ(Fidel Castro)元国家評議会議長率いる1960年代以降のキューバは過激な無神論集団だったが、この四半世紀で宗教に対してより寛容になっている。

一部の宗教指導者は2018年と2019年、同性婚を認める法改正の是非を問う国民投票に反対し、各地で集会を開催。共産党は教会の反発を受け、国民投票を諦めた。

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