◎昨年の7月11日に小さな町で始まった抗議デモはソーシャルメディアを通じて首都ハバナに広がり、数千人が深刻な食糧危機や政府のコロナウイルス対応に不満を表明した。
1月20日、キューバの裁判所は過去数十年で最大規模の抗議デモに参加し逮捕された市民の審理を終えた。国営メディアによると、100人以上の被告が懲役30年以下の長期刑を言い渡される見込みだという。
昨年の7月11日に小さな町で始まった抗議デモはソーシャルメディアを通じて首都ハバナに広がり、数千人が深刻な食糧危機や政府のコロナウイルス対応に不満を表明した。
長期刑に直面している被告の家族や関係者は「デモに参加したという理由だけで1,000人以上が逮捕され、その多くが警察にひどく殴打された」と主張している。
共産党は逮捕した市民の数を明らかにしていないが、事件を調査するために創設された民間組織によると、警察は少なくとも1,300人を逮捕し、これまでに400人以上を裁判にかけたという。
ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティ・インターナショナルなどの人権団体は、平和的に抗議した多くの市民が逮捕されたことに懸念を表明し、キューバ共産党を非難した。
AP通信の取材に応じたマリア・ミラン氏は逮捕された25歳の夫について、「前科はなく、これまでトラブルを起こしたこともなかったが、懲役20~30年の実刑判決は避けられないと弁護士に言われた」と述べた。
ミラン氏は、「夫は裁判の中で警察に石を投げたこととデモに参加したことは間違いだったと認めました」と述べ、情状酌量を求めた。「夫は過ちを認め悔い改めました。しかし、検察は懲役30年を求めています...」
共産党は米国に拠点を置く組織がソーシャルメディアを通じてデモを組織したと主張したが、人権団体によると、逮捕された市民の大半に政治活動に参加したという過去はなく、明確なリーダーもいないように見えるという。
ミラン氏の夫の父親はAP通信に、「息子は過去に政治活動に関与したことは一切なく、興味本位でデモに参加しただけ」と強調した。
抗議デモ後、共産党は市民の要求を一部認め、追加の社会支援プログラムを開始した。
人権団体によると、逮捕された市民の一部は長期刑を言い渡される可能性が高いが、裁判自体は「比較的まとも」かつ公正に見えるという。
昨年ラウル・カストロ氏の後任に選ばれたミゲル・ディアス=カネル第一書記は抗議デモが発生した際、デモ参加者を「米国の傭兵」と呼び、共産党支持者に「通りに出て戦いなさい」と命じた。「さあ、戦うのです、革命家たちよ!」