◎国営テレビは女性3人と未成年者が救助されたと報じている。
米フロリダ州沖、中南米の亡命希望者たち(AP通信)

キューバ当局は29日、首都ハバナの沖合で米国に向かっていたボートが沿岸警備隊の船と衝突し、少なくとも5人が死亡したと発表した。

当局によると、ボートはハバナの沖合数キロの地点で沿岸警備隊の船と衝突し、ひっくり返ったという。

国営テレビは女性3人と未成年者が救助されたと報じている。

当局は国営テレビの取材に対し、「犠牲者の身元を確認している」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

キューバの経済は米国の厳しい経済制裁、コロナの感染拡大による観光業の衰退、ロシアのウクライナ侵攻によるインフレの影響で弱り切っており、米国に亡命を希望する人の数はこの40年で最も多くなっている。

国営テレビは共産党報道官の話を引用し、「米国の制裁が亡命希望者と事故を増加させている」とし、米国にその責任を負わせた。

一方、ハバナの米国大使館は犠牲者に哀悼の意を表した。

この問題に詳しい専門家によると、キューバの亡命希望者の大半は飛行機でニカラグアに向かい、その後、陸路でテキサス州やアリゾナ州の国境を目指すという。

しかし、米南部沿岸までの海路(約150km)を選択する移民も増加傾向にある。

米沿岸警備隊によると、昨年10月から今年8月の間にボートで米国南部を目指したキューバ人4600人以上が保護されたという。これは2020年通年のほぼ6倍である。

これはマリエル難民事件と呼ばれる1980年に約12万5000人のキューバ人が半年かけて海路で米国を目指したとき以来の規模でなる。

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