◎ボートの目的地は明らかにされていないが、恐らくスペイン領カナリア諸島を目指していたと思われる。
西サハラ・アラブ民主共和国で活動する移民援助機関(Caminando Fronteras)は8日、同国の沖合で亡命希望者や難民を乗せたボートが転覆し、少なくとも44人が死亡したと明らかにした。
同機関によると、ボートは岬の沖合で高波に飲まれて沈没したという。機関の代表は12人が自力で陸地に泳ぎ着いたと報告している。
アルジャジーラは地元関係者のコメントを引用し、「7人の遺体を回収したが、その他の遺体は見つからなかった」と報じた。
西サハラ・アラブ民主共和国は1976年に独立した亡命国家で、国連には加盟していない。
モロッコは西サハラ・アラブ民主共和国の領有権を主張しており、その大半を実効支配している。
モロッコ当局は事故に関するコメントを発表していない。
ボートの目的地は明らかにされていないが、恐らくスペイン領カナリア諸島を目指していたと思われる。
モロッコはより良い生活を求めて欧州への移住を希望する移民や難民の経由地である。
モロッコとスペイン政府は6日、「正式手続きを行わない移民に対する取り締まりを強化することで一致した」と共同声明を発表した。
モロッコ内務省の統計によると、政府は今年1~3月の間に1万4000人以上の違法出国を阻止し、52の人身売買組織を取り締まったという。
また内務省は、昨年6万3000人以上の違法出航を阻止し、256の人身売買組織を取り締まったと報告している。
スペイン政府は昨年だけで4万人以上が海路で同国に到着したと報告している。
移民援助機関(Caminando Fronteras)によると、昨年スペインに渡ろうとして死亡または行方不明になった移民は4400人に達したという。