◎激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。
スーダン、西部ダルフール地方の避難所(Getty Images)

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は21日、アフリカ北東部・スーダンの北ダルフールで戦闘が激化したという報道について、深刻な懸念を表明した。

グテレス氏はスーダン軍政と対峙する準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」に対し、北ダルフールへの攻撃を直ちに停止するよう求め、内戦がダルフール全域に広がる恐れがあると警告した。

またグテレス氏はRSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官に、敵対行為の停止を求める声を無視せず、責任ある行動を取るよう促した。

軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、世界保健機関(WHO)によると、2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。

激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

RSFは今年5月に北ダルフールの主要都市エルファーシルを包囲したとされる。AP通信などは今週、地元当局者の話しとして、「過去1週間で戦闘がエスカレートし、多数の死傷者が出ている」と報じていた。

現地の状況はほとんど明らかになっていないが、ダルフールの住民が深刻な影響を受けていることは確かなようだ。

軍政を率いるブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍は今週、即時停戦と内戦の終結を求める米政府の呼びかけに応え、和平交渉に参加する用意があると表明していた。

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