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南スーダン、反政府勢力が東部要衝を奪還、国連が懸念表明


反政府勢力「スーダン人民解放軍反政府派(SPLA-IO)」の報道官によると、戦闘員はアコボを制圧し、軍用車両や武器を確保したという。
2016年4月29日/南スーダン、首都ジュバ、キール大統領(右)とマシャール副大統領(Jason Patinkin/AP通信)

南スーダン東部ジョングレイ州の要衝アコボ(Akobo)で反政府勢力が国軍を排除して町を再び掌握し、国連が強い懸念を示している。週末に始まった戦闘により情勢は急速に悪化し、内戦再燃への警戒感が高まっている。

反政府勢力「スーダン人民解放軍反政府派(SPLA-IO)」の報道官によると、戦闘員はアコボを制圧し、軍用車両や武器を確保したという。一方、政府軍は3月に同地を奪還していたが、今回の戦闘で撤退したとされる。SNS上では、SPLA-IOが飛行場や行政施設周辺など主要拠点に展開する様子も確認されており、町の中枢部を掌握した可能性が指摘されている。

これに対し政府側は反発を強めている。キール(Salva Kiir)大統領の報道官は13日、今回の攻撃を「無意味で正当性がない」と非難し、民間人を危険にさらしたと断じた。ただし、報道官は詳細な説明を避け、戦況の全体像は依然として不透明である。

国連南スーダン派遣団(UNMISS)は戦闘の激化により人道状況がさらに悪化する恐れがあると警告し、即時停戦を呼びかけた。「さらなるエスカレーションを防ぎ、平穏を取り戻すため各勢力と集中的に協議している」として、事態の沈静化に向けた働きかけを強めている。

アコボはエチオピア国境に近い要衝で反政府勢力の重要拠点の一つとされる。反政府側は拘束下にあるマシャール(Riek Machar)副大統領に忠誠を誓う勢力で、2018年の和平合意が事実上崩壊した後、政府との戦闘が再燃している。

この地域では3月、政府軍の攻勢に備えて避難命令が出され、数千人規模の住民が国外へ退避するなど混乱が続いていた。今回の再占拠により、避難民の帰還や支援活動にも影響が及ぶ可能性がある。さらに、国連は資金不足を理由にアコボの拠点閉鎖も予定しており、人道支援体制の縮小が懸念されている。

南スーダンでは近年、停戦違反や武力衝突が相次ぎ、各地で住民の避難やインフラ破壊が続いている。今回のアコボでの戦闘再燃は脆弱な和平プロセスがさらに揺らいでいることを示す象徴的な出来事といえる。国際社会は対話の再開と民間人保護を強く求めているが、現地情勢は依然として流動的であり、さらなる衝突の拡大も懸念される。

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