◎サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた数万人が毎年、アフリカ北西部(モーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアなど)からスペインを目指し出港する。
スペイン領カナリア諸島にたどり着いた移民(Getty Images)

スペイン政府は23日、アフリカ北西部・カナリア諸島に押し寄せる移民が急増していることを受け、同島の移民対策に5000万ユーロを拠出すると発表した。

首相府の報道官は記者会見で、「サンチェス(Pedro Sánchez)首相と与党議員が島にたどり着いた未成年者の保護などについて協議した」と語った。

サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた数万人が毎年、アフリカ北西部(モーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアなど)からスペインを目指し出港する。

その大半がスペイン領カナリア諸島を目指す一方、スペイン本土に渡ろうとする者も少なくない。このルートは世界でも最も危険な航路のひとつであり、毎年数千人が死亡または行方不明になっている。

サンチェス政権によると、カナリア諸島当局は同伴者のいない未成年者のケアに苦慮しているという。

成人の移民は到着後、本土や欧州の他の地域への亡命を希望できるが、未成年者は自治体の保護下に置かれる。

自治体は現在、自力で島にたどり着いた、あるいは旅の途中で親を亡くした5000人以上の未成年者の面倒を見ている。

サンチェス政権は先月、未成年者の一部を引き取ると提案したが、野党議員と一部の与党議員がこれに反対。政府は法案の提出を見送った。

内務省の統計によると、今年カナリア諸島に到着した移民は今月中旬時点で約2万2300人。昨年同期比126%増となっている。

その大半がモリータニアから出港したとみられる。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。

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