◎ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしている。
アフリカ東部・ソマリアの係争地ソマリランドで12日、大統領就任式が行われ、アブドゥラヒ（Abdirahman Mohamed Abdullahi）新大統領が宣誓した。
アブドゥラヒ氏は先月の選挙で再選を目指したアブディ（Muse Bihi Abdi）前大統領を破り、第6代大統領に就任した。
アブドゥラヒ氏は就任演説で、ソマリランドの主権について「有効な法的論拠」を挙げながら、「外交政策を強化し、ソマリランドの国際的承認を得るための努力を追求する」と約束した。
就任式には米国の駐ソマリア大使も出席。新政権との協力を約束した。
ソマリランド（旧イギリス領）は1991年にソマリア（旧イタリア領）から独立。国連は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国がハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。
ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしている。
エチオピアとソマリランドの首脳は今年2月、ソマリランド領内におけるエチオピアの海岸利用を許可する覚書に署名。これにより、世界で最も人口の多い内陸国であるエチオピアはソマリランドの海岸線に海軍基地を建設できるようになった。
ソマリア政府はこれに激怒し、「最悪の事態」に発展する可能性もあると警告した。
ソマリアとエチオピア両政府は11日、トルコの仲介で2月の覚書に端を発する緊張を緩和する「技術協議」を開始することで合意した。
