◎コンゴ政府は同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」がルワンダ政府の支援を受けていると非難している。
ルワンダ政府は19日、コンゴ民主共和国東部から部隊を撤退させるよう求める米国務省の要請を拒絶した。
ルワンダ外務省は声明で、「コンゴ東部には1994年の大虐殺の実行犯であるテロ組織FDLR(ルワンダ解放民主軍)のメンバーが存在しており、我が国の安全保障を脅かしている」と指摘した。
また同省は「FDLRはコンゴ軍に統合されている」と主張した。
ルワンダ政府は長い間、FDLRを最も危険なテロ組織として国家安全保障の脅威のひとつにあげてきたが、コンゴ東部に存在すると認めたことはなかった。
コンゴ政府は同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」がルワンダ政府の支援を受けていると非難している。
米国務省は18日、ルワンダ政府がM23を支援していると改めて非難。敵対行為の即時停止とルワンダ軍の全要員をコンゴ東部からただちに撤退させるよう求めた。
ルワンダ外務省はこの要請を拒絶。「突然の政策転換、または単に内部の調整不足なのか...ルワンダはアフリカの調停者として活動する米国の能力に疑問を抱いている」と嘲った。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。
北キブ州の州都ゴマ近郊では戦闘が激化。国連によると、昨年11月以降の戦闘に巻き込まれた市民100万人以上が避難を余儀なくされ、国連の難民キャンプなどに身を寄せている。