◎ニジェールと西側の関係は昨年7月のクーデターでバズム大統領が追放されて以来、悪化の一途をたどっている。
アフリカ西部・ニジェールの首都ニアメで16日、軍事政権を支持する数千人が市中心部の通りを埋め尽くし、西側諸国を非難した。
このデモは国営テレビが前日に「治安当局がフランスのスパイを逮捕した」と報じたことを受け、開催された。
デモ隊は隣国ブルキナファソとマリの軍事政権への支持も表明し、フランスと米国を敵対勢力と呼んだ。
マリ軍は2020年、ブルキナ軍は2022年、ニジェール軍は昨年のクーデターで政権を掌握し、それ以来、同盟関係にある。この3カ国はサヘル諸国連合(AES)を形成している。
デモには大統領府の報道官を含む多くの軍政幹部も参加した。
ニジェールと西側の関係は昨年7月のクーデターでバズム(Mohamed Bazoum)大統領が追放されて以来、悪化の一途をたどっている。
軍政は旧宗主国フランスに部隊撤退を命じ、今年5月には米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表。米軍は9月に部隊撤退を終えた。
軍政は西側との関係を断ち切り、ロシアに急接近。民間軍事会社ワグネルと契約を結んだとされるが、詳細は不明だ。
ニジェールはクーデターが起きるまで、この地域で国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦う西側の最重要パートナーであった。
デモを主催した市民グループの代表は演説で、「フランスにこの国を渡してはならない」と呼びかけた。
また代表は西側の「植民地化計画」を非難し、「政府がこの国の平和と安定を確立する」と語った。
軍政の報道官はSNSに声明を投稿。デモを称賛したうえで、「今後10年間、国の安全保障を確立する取り組みの一環として、自国産兵器の開発・製造に向けた取り組みに力を入れる」と書き込んだ。
ニアメでは19日からAESの閣僚級会合が開かれる予定だ。