モロッコ、アフリカ向けトマト輸出を一時停止、国内価格高騰で供給確保優先
国内でトマト価格が急騰した背景には、主要産地である南部地方の生産性低下に加え、肥料や燃料の価格上昇がある。
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モロッコ政府は5日、国内の供給を確保し、価格を引き下げるため、アフリカ諸国向けのトマト輸出を一時停止した。FIFEL(モロッコ青果生産輸出業インタープロフェッショナル連盟)と政府関係者が明らかにした。輸出業者には決定が通知されており、政府は市場を安定させるための暫定措置で、輸出は近く再開するとの見通しを示している。
国内でトマト価格が急騰した背景には、主要産地である南部地方の生産性低下に加え、肥料や燃料の価格上昇がある。政府は国内消費を優先する方針を打ち出し、輸出規制によって市場への供給量を確保しようとしている。
ただし、今回の措置は欧州市場向けの輸出には適用されない。モロッコは欧州連合(EU)向けトマト輸出で世界第2位の規模を持ち、欧州向けはアフリカ向けより高値で取引されるためだ。アフリカ市場向けの輸出は比較的小規模とされる。
政府報道官は輸出停止について、直接の説明を避けたものの、食料主権を優先する政府の姿勢を強調した。財務相も先週、食品価格の引き下げに向けて食料輸出を規制する方針を示していた。政府は輸送費補助を継続するほか、中間業者を減らして流通コストを抑えるため、地域別の流通会社を設立する計画も進めている。
一方、農産物輸出全体は拡大しており、今年1~9月の輸出額は前年同期比4.3%増の331億ディルハム(約5360億円)だった。輸出産業の収益を維持しながら国内価格を抑えるという難しい課題に直面する中、今回の措置が食品価格の安定につながるかが注目される。
