◎ドイツやイギリスなどへの亡命を希望する人々は6月24日、モロッコとメリリャの国境フェンスに突撃し、国境警備隊と衝突した。
モロッコの裁判所は4日、同国からスペイン領メリリャに亡命を試みた移民14人に禁固8カ月の実刑判決を言い渡した。
メリリャはアフリカ大陸北西部に位置するスペインの都市で、1995年に自治権を与えられた。
ドイツやイギリスなどへの亡命を希望する人々は6月24日、モロッコとメリリャの国境フェンスに突撃し、国境警備隊と衝突した。この乱闘で移民23人が死亡、警備隊員を含む数百人が負傷した。
東部の沿岸都市ナドールの裁判所は14人に禁固8カ月とそれぞれ2000ディルハム(約2万6000円)の罰金を支払うよう命じた。
人権NGO「モロッコ人権協会(AMDH)」は判決を非難した。
AMDHの広報担当は声明で、「助けを求める人々に対して、あまりに厳しい薄情な判決」と述べた。「メリリャは移民を受け入れ、保護すべきです...」
ナドールの裁判所は先月19日にも別の移民33人に禁固11カ月を言い渡している。この33人も6月24日の乱闘に関与したとされる。
地元メディアによると、この事件に関する裁判はもう1件進められているものの、証人不在のため8月17日に延期されたという。この裁判では移民28人が国境警備隊への暴力で起訴されるとみられる。
メリリャへの亡命を試みた人々はスーダン、チャド、イエメン、南スーダン人で構成されていた。