◎サヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織はマリを含む西アフリカ諸国への攻勢を強めている。
マリの外務省は14日、国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)に派遣されているマリ軍兵士および警察部隊の活動を全面停止したと発表した。
マリの軍事政権は国家安全保障上の問題を理由にMINUSMAに関与しないとしている。
マリ当局は今週初め、首都バマコで活動していたMINUSMAのコートジボワール兵49人を逮捕した。当局によると、49人はマリの再建計画を破壊するために活動していたという。
コートジボワール軍はこの主張を否定し、国連のPKO部隊としてマリに派遣されたと説明した。
しかし、マリ軍はMINUSMAに対し、「国連はマリ国内における活動停止を関係国に指示すると確信している」と述べ、コートジボワールの主張を退けた。
マリの軍事政権を率いるゴイタ(Assimi Goita)大佐はロシアと緊密な関係を構築し、旧宗主国のフランスとの関係を断ち切ったうえで、MINUSMAで活動する兵士と警察部隊の撤退を決めた。
マリ軍はロシアの民間軍事企業「ワグネル(Wagner)」と契約を結び、サハラ砂漠以南のサヘル地域で活動するジハード組織を取り締まるとしている。ワグネルはジハード主義者だけでなく民間人も虐殺したと告発されている。
サヘル地域で活動する欧州の部隊「タクバ(Takuba)」は今月、マリ領内から完全撤退した。
MINUSMAは2013年からこの地域で活動し、6月29日に活動期間を1年延長することが決まったが、マリ政府はマリ領内での活動に反対している。
サヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織は西アフリカ諸国への攻勢を強めている。