◎マリ、ニジェール、ブルキナファソを含むサヘル地域は過激派の暴力に悩まされている。
国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSMA)の兵士(ロイター通信)

西アフリカ・マリ共和国の国境地帯をパトロールしていた陸軍兵士がイスラム過激派の待ち伏せ攻撃を受け、数人が死亡した。地元当局が3日、明らかにした。

それによると、過激派はニジェール国境付近で陸軍のパトロール部隊に攻撃を仕掛けたという。

AF通信は情報筋の話として、「パトロール部隊は兵士6人を失いながらも反撃し、テロリスト少なくとも15人を無力化した」と伝えている。

また情報筋は複数の兵士が行方不明になっているとし、過激派を非難した。

軍政はこの事件に関する声明を発表しておらず、犯行声明も出ていないようだ。

情報筋は「待ち伏せ攻撃が報告された複数の地域に陸軍の大隊とロシアの民間軍事会社ワグネルの傭兵が派遣された」と述べている。

一方、陸軍と警察の情報筋はこのテロ攻撃にイスラム国(ISIS)が関与していると指摘。ニジェールに向かう車列を護衛していた陸軍部隊が攻撃の対象になったとみられる。

マリは2020年のクーデター以来、ゴイタ(Assimi Goita)大佐率いる軍政の支配下に置かれている。

ゴイタ氏は今週、隣国ニジェールで発生したクーデターを支持すると表明。西側諸国が軍事介入に踏み切った場合、マリに対する宣戦布告と見なすと警告した。

ナイジェリア政府の高官は2日、マリの首都バマコを訪問し、サヘル地域に拠点を置く過激派との戦いにおいて、両国の関係および近隣諸国との関係を重要視することで一致した。

マリ、ニジェール、ブルキナファソを含むサヘル地域は過激派の暴力に悩まされている。2012年以降の紛争で死亡した民間人は数万人と推定され、数百万人が避難を余儀なくされた。

マリ北東部では数カ月前から「大サハラのイスラム国(EIGS)」による攻撃が続いているとされる。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが最近公表したレポートによると、この地域で今年、過激派の攻撃で今年死亡した民間人は数百人に達したという。

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