◎マリ軍はロシアの民間軍事会社「ワグネル」と手を結び、イスラム過激派組織だけでなく民間人も虐殺したと告発されている。
マリの軍事政権は27日、西アフリカで最も聴取率の高いフランス国営ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RTI)とフランス24のメディアライセンスを永久剥奪すると発表した。
マリ軍が外国メディアのライセンスを取り消すのは今回が初めて。
通信高等機関は声明で、「RFIとフランス24の各チャンネルは国内の配信契約を失い、オンラインメディアや携帯電話でも視聴できなくなる」と述べた。
両メディアはユーチューブやフェイスブックなどでもニュースを配信しているが、それらも閲覧できなくなると思われる。
軍事政権は先月、両メディアが「マリ軍による民間人への虐待」「マリ軍の人権および国際人道法違反に関する申し立て」を報道したとして、ライセンスを一時的に停止していた。
両メディアを運営するフランス・メディア・モンドはライセンス剥奪に異議を唱え、利用可能な手段を用いてニュースを配信し続けると約束した。「我々はアフリカと国際社会の関心事のひとつであるマリのニュースをマリ国内で放送し続けます。この問題に対処する技術的な解決策を確立すると約束します」
マリとフランスの関係は冷え切っており、マリ北部で進行中のサヘル紛争を主導する仏軍はマリから撤退する任務を開始している。
マリ軍はロシアの民間軍事会社「ワグネル」と手を結び、イスラム過激派組織だけでなく民間人も虐殺したと告発されている。
マリ軍は25日、仏軍が偵察用ドローンを無許可で飛ばし領空を侵犯したと非難した。
フランスは先週、仏軍がマリに引き渡した北部の基地付近で、ロシアの傭兵が民間人の遺体を埋めているように見える映像を公開した。
マリは事件性の有無を調査すると約束しているが、今のところ新たな情報は公表されていない。