◎マリと旧植民地支配国のフランスの関係はここ数カ月で著しく悪化した。
ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RTI)とフランス24のロゴ(Kenzo Tribouillard/AFP通信)

マリの軍事政権は17日、フランスの国営ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RTI)とフランス24の放映権を停止すると発表した。

軍事政権は声明の中で、「両局は国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)と国連人権高等弁務官のミシェル・バチェレ氏の誤った主張を繰り返し報道したため、この措置を講じた」と述べた。

HRWは15日に公表した報告書の中で、「マリ国内で活動するアルカイダやイスラム(ISIS)とつながりのあるジハード組織とマリ軍の兵士はこの3カ月で民間人少なくとも107人を殺害した」と明らかにした。

HRWの調査によると、107人のうち71人の殺害にマリ軍の兵士が関与していたという。

RFIは今週、マリ軍兵士および彼らと一緒に行動するロシアの傭兵と思われる者から拷問を受けたという被害者の証言を報じた。

マリを含むサハラ周辺の一部の国は数多くの人権侵害で告発されているロシアの民間軍事会社ワグナー・グループと契約を結んでいる。

マリ軍の報道官は17日、「フランスのメディアは14日と15日に虚偽の主張を報道した」と述べた。

マリと旧植民地支配国のフランスの関係はここ数カ月で著しく悪化した。軍事政権は民主的な選挙を行うという約束を反故にし、ジハード組織と戦う名目でワグナー・グループと取引し、欧米の批判を浴びている。

マリ軍は2020年8月以来2度クーデターを起こし、2022年2月に予定していた選挙を2026年に延期したため、西アフリカを統括するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)から制裁を受けることになった。

マリ軍は声明の中で、「メディアの誇大広告は政治的移行を不安定にし、マリ国民の士気を下げ、マリ軍の信用を落とすことを目的とした計画的な戦略だ」と述べ、RTIとフランス24を非難した。

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