◎憲法裁判所はアシミ・ゴイタ大佐の暫定大統領就任を認め、軍事クーデターを「移行プロセス」と呼んだ。
AFP通信によると、マリ共和国の憲法裁判所は軍事クーデターの首謀者、アシミ・ゴイタ大佐を暫定大統領に指名したという。
マリ政府は昨年8月の軍事クーデターで一掃され、バ・ヌダウ氏が暫定大統領、モクタール・ウアン氏が暫定首相に就任したばかりだったが、5月24日に発生した新たな軍事クーデターで暫定政府は崩壊した。
ゴイタ大佐は憲法裁判所が決定を下す前に暫定大統領に就任したと宣言していた。地元メディアによると、ゴイタ大佐は判事に圧力をかけていた可能性があるという。
ゴイタ大佐は昨年8月の軍事クーデターも主導しており、選挙で選ばれた当時のイブラヒム・ブーバカル・ケイタ大統領は辞任を余儀なくされた。
憲法裁判所はゴイタ大佐の暫定大統領就任について、「大統領の欠員に伴う措置」と述べた。
ゴイタ大佐は声明の中で、「二人(バ・ヌダウ氏とモクタール・ウアン氏)は職務を怠るだけでなく、文民政府の確立を妨害した」と主張した。地元メディアによると、二人は辞任を認め、27日に解放されたという。
憲法裁判所はゴイタ大佐の暫定大統領就任を認め、軍事クーデターを「移行プロセス」と呼んだ。
今回の軍事クーデターは、辞任したバ・ヌダウ氏が新内閣の閣僚を発表してからわずか1時間後に発生したと伝えられている。ゴイタ大佐は声明の中で、「ヌダウは私に相談せず、勝手に内閣改造を行った」と述べた。「私は副大統領に就任する予定だったが、ヌダウは自分に都合の良い者を閣僚に選び、文民政府への移行を妨害した...」
AFP通信によると、ゴイタ大佐は近日中に首相を指名し、来年2月までに民主的な選挙を行うと約束したという。
マリに平和維持軍を派遣している国連は、来年2月までに民主的な選挙で議会を組織するよう求めていた。
マリとフランスが主導する連合軍は、アルカイダとイスラム国(IS)に関連するジハード軍を封じ込める作戦をサヘル地域で展開しているが、今回の事件を含む過去1年間の混乱は作戦に影響を与える可能性があるという懸念を高めている。
2012年のクーデター後、イスラム過激派組織はマリ北部の主要な町を支配した。かつての植民地支配国であるフランスは2013年に軍事介入し、過激派を町から追い出した。マリとフランス連合軍は農村地域で主に活動しており、定期的に道路や都市で暴れる過激派および反政府勢力との戦いを続けている。
サヘル地域の紛争が終結する見通しは立っておらず、ISを支持する「大サハラのイスラム国(ISGS)」や、アルカイダを支持する「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」などのジハード軍は近隣のブルキナファソとニジェールにも深刻な影響を与えている。