◎マダガスカルは欧米諸国からウクライナ侵攻に反対するよう呼びかけを受けているものの、中立政策を維持している。
国連総会(Getty Images)

マダガスカルのラジョエリナ(Andry Rajoelina)大統領は18日、ロシアのウクライナ4州併合を非難する国連総会の決議案に賛成票を投じたリチャード(Richard Randriamandranto)外相を解任した。

国営テレビによると、ラジョエリナ氏は18日にリチャード氏を解任する大統領令に署名したという。

マダガスカルは欧米諸国からウクライナ侵攻に反対するよう呼びかけを受けているものの、中立政策を維持している。

しかし、リチャード氏は今月12日、ロシアのウクライナ4州併合を無効とする決議案を支持し、開戦以来初めて公の場でロシアを非難した。

国営テレビは先週、大統領府の声明を引用し、「外相は国家元首および首相に相談することなく、賛成票を投じた」と報じていた。

地元紙は17日にリチャード氏が解任される可能性に言及し、「大統領は外相を叱責した」と報じている。

リチャード氏は18日、国会で記者団の取材に応じたものの、「我が国に亀裂を生じさせるつもりはなかった」とだけ述べ、詳細は明らかにしなかった。

野党はリチャード氏の解任に不満を表明し、ある議員は「退陣するのはラジョエリナ大統領だ」と糾弾した。「リチャード氏は現政権の外交のミスを正しただけです。マダガスカルは侵略国家の違法な併合を支持する国と思われています」

世界食糧計画(WFP)によると、今年初めに4度ハリケーンに見舞われたマダガスカルでは深刻な食料不足が進行中で、子供を含む100万人以上が飢えに直面しているという。

マダガスカルは世界で最も貧しい国のひとつであり、1人あたりGDPは統計を取り始めた1990年代からほとんど成長しておらず、国際社会の支援に頼り切っている。

2022年2月25日/マダガスカル、東部の海岸(Getty Images/AFP通信)
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