◎サイクロン・バツィライは2月5日の深夜に東海岸に上陸し、島の中央から南部の広い範囲に深刻な被害をもたらした。
2月9日、マダガスカルの国家災害管理局は今週初めに上陸したサイクロン・バツィライの死者が92人に増加し、11万人以上が自宅を失ったと発表した。
サイクロン・バツィライは5日の深夜に東海岸に上陸し、島の中央から南部の広い範囲に深刻な被害をもたらした。一部の村は完全に崩壊したと伝えられている。
国家災害管理局によると、死亡した92人のうち71人は首都アンタナナリボの南約530キロに位置するイコンゴ地区の住民だという。
イコンゴ地区の集落を代表するジャン・ブルネイ氏はAP通信の取材に対し、「暴風と洪水は地区のすべてを破壊した」と語った。「地区の家屋の大半は土づくりで、洪水にとても弱く、何もかも流されてしまいました...」
またブルネイ氏は死亡した住民の大半が崩壊した家屋の下敷きになっていたと述べた。「家の壁と屋根は泥になり、住民を埋葬しました...」
AFP通信によると、イコンゴ地区につながる道路は地滑りで遮断されたという。ブルネイ氏は多くの被災地が食料と水を必要としていると述べたうえで、国際社会に支援を求めた。「数十万人がホームレスになりました。マダガスカルは助けを必要としています...」
マダガスカルの予報官によると、サイクロン・バツィライの最大風速は55m/s、最大瞬間風速は65m/sに達したという。一部地域の24時間雨量は300mmを超え、家屋やインフラに大きな被害が出たと伝えられている。
マダガスカルは1月末にサイクロン・アナの被害を受けたばかりで、国際機関は被害が拡大する可能性があると懸念を表明していた。
サイクロン・バツィライの被害規模は2004年3月のハリケーン・ガフィロに匹敵する可能性があると予想されている。
ハリケーン・ガフィロはカテゴリ5を維持した状態でマダガスカルの東部に上陸し、首都アンタナナリボだけで200人以上が死亡、沈没したフェリーに乗っていた100人以上が行方不明になり、少なくとも30万人が自宅を失ったと推定されている。