◎一部の村はほぼ完全に破壊されたと伝えられている。
2022年2月5日/マダガスカル、東部タマタベの民家、サイクロンの上陸に備える住民(AP通信)

2月6日、南米マダガスカルの東部に大型サイクロン・バツィライが上陸し、5万人近くが避難を余儀なくされた。

気象局によると、サイクロンは5日深夜に首都アンタナナリボの東500キロに位置する東海岸の町マナンジャリ付近に上陸し、南西方向に速度を速めて進んでいる。最大風速は55m/sに達する可能性があり、当局は警戒を呼び掛けている。

一部の村はほぼ完全に破壊されたと伝えられている。

マダガスカルは1月末にサイクロン・アナの被害を受けたばかりで、国際機関は被害が拡大する可能性があると懸念を表明していた。

サイクロン・アナはマダガスカル、モザンビーク、マラウイに深刻な被害をもたらし、少なくとも数十人が死亡、数十万人が避難を余儀なくされた。マダガスカルの犠牲者は少なくとも55人、13万人以上が自宅を失ったと報告されている。

地元メディアによると、マナンジャリは2日前に停電し、水の供給も滞っていたという。ロイター通信の取材に応じた住民は、「避難所になる予定だった学校や教会の屋根も吹き飛ばされてしまった」と語った。

サイクロン・バツィライの規模は2004年のハリケーン・ガフィロ以来最悪で、政府は60万人に影響を与える可能性があると警告している。

議会上院の副議長顧問を務めるラハリジャオナ氏はロイター通信の取材に対し、「東部の町ノシ・ヴァリカは空爆を受けたような有様です」と語った。「自治体は建物の95%が全壊したと見積もっています...」

ラハリニリナ環境相は6日、政府の公式ホームページに、「少なくとも45,000人が地域の避難所に避難し、多くの村がほぼ完全に崩壊した」と投稿した。

東海岸の町マハノロは高潮被害を受け、数人が死亡したと伝えられている。

世界食糧計画(WFP)は少なくとも15万人が避難を余儀なくされ、その多くが自宅を失うと推定している。AP通信によると、避難者の一部は1月のサイクロン・アナで被災した人々がいる避難所に移されたという。

サイクロン・バツィライは南西方向に移動し、6日遅くにはモザンビーク海峡からアフリカ大陸を避けて南に向かうと予想されている。

WFPによると、インド洋のサイクロンは南アフリカの貧しい地域の農作物に深刻な影響を与え、食料価格の高騰と食料不安を悪化させているという。

WFPのマーガレット・マル担当官はソーシャルメディアに、「アフリカ南部は気候変動の影響を最前線で受け、嵐が通過するたびにこれまでの進歩がリセットされる」と投稿していた。

ダガスカルはCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)の事務局に年間10億ドル(約1,150億円)の気候変動対策予算が必要という方針書を提出していた。

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