マダガスカル大統領が全閣僚を解任、軍事クーデターから半年
ランドリアニリナ氏が権力を掌握したのは2025年10月、若者による抗議デモが激化し、当時の大統領であるラジョエリナ氏が軍事クーデターの末、退陣に追い込まれた。
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アフリカ南東部沖の島国マダガスカルの軍事政権を率いるランドリアニリナ(Michael Randrianirina)大統領は9日、首相を含む内閣全閣僚を解任すると発表した。大統領府の報道官は声明で、この決定は憲法に従ったものであり、近日中に新たな首相を任命すると述べたものの、解任の具体的な理由については明らかにしなかった。マダガスカルでは政治的不確実性が続く中、政府の刷新が進められている。
ランドリアニリナ氏が権力を掌握したのは2025年10月、若者による抗議デモが激化し、当時の大統領であるラジョエリナ(Andry Rajoelina)氏が軍事クーデターの末、退陣に追い込まれた。若者主導の抗議デモは経済的苦境や腐敗、基本的なサービスの欠如に対する不満から発生し、その後軍の一部がこれに同調したことで政情が一気に変化した。ランドリアニリナ氏は軍の支持を受けて支配権を握り、暫定政権を樹立したが、今回の内閣解任はその継続的な政権再編の一環と位置付けられている。
解任された首相は25年10月にランドリアニリナ氏によって任命された人物である。首相は銀行業界での経験を持つ実務派とされ、暫定政権で経済改善と国際的信頼回復の役割を担っていたが、今回の一斉解任により職を失った。マダガスカルの政治は長年、貧困や社会不安といった構造的課題と結びついた抗議運動の頻発に悩まされてきた。
今回の政府解体後、各省の事務は事務次官らが暫定的に管理するとみられ、ランドリアニリナ氏は憲法に基づき、新たな暫定政権を構築する予定だ。ただし、新首相や閣僚人事については日付も名前も示されておらず、国民と国際社会が政治動向を注視している。
マダガスカルは過去数十年にわたって政治的安定を欠く事態が続いている。2009年のクーデター以降、政府の交代や抗議デモによる政権への圧力が繰り返されてきた。2025年の抗議ではZ世代が主導的役割を担い、停電や生活基盤の悪化に対する怒りを背景に大規模デモを展開した。この抗議は単なる経済要求にとどまらず、政治体制全体への挑戦とみなされ、最終的に政権が崩壊する結果を招いた。
国際社会はマダガスカルの情勢に対し懸念を表明している。アフリカ連合(AU)や国連、人権団体は平和的に政治的移行を進め、民主的な制度維持を求めている。特にAUは憲法秩序の尊重と軍の影響力の排除を強調し、マダガスカルに対する外交的圧力を強めてきた。経済支援を含む国際的な支援は、政治の安定と透明性の確保を条件としているため、今後の政府方針が国際関係にも影響を及ぼす可能性が高い。
ランドリアニリナ氏の今回の内閣解任は単なる人事刷新にとどまらず、政権運営の方向性を占う重要な局面となっている。新政府の発足が国民の期待に応えるものか否か、またマダガスカルが政治的混乱から脱却できるかどうかは、今後の首相任命と政策展開にかかっている。国民生活や経済の立て直し、国際的信頼の回復が急務となっている。
