◎アフリカ大陸の亡命希望者はリビアやチュニジアの海岸から頼りないボートに乗り、欧州の海岸を目指す。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は7日、リビアの西海岸沖で亡命希望者を乗せたボートが難破し、これまでに15人の遺体が収容されたと発表した。
リビアのIFRC報道官は公式サイトとSNSに声明を投稿。「地元当局から支援要請を受けた」と報告した。
報道官によると、遺体は医療機関に搬送され、検死が行われる予定だという。
アフリカ大陸の亡命希望者はリビアやチュニジアの海岸から頼りないボートに乗り、欧州の海岸を目指す。
SNSで拡散した動画には、難破したボートの残骸と遺体が映っていた。このボートは海上で炎上したと伝えられている。
犠牲者の身元、乗員数、火元、難破した日時は不明。
AP通信によると、このボートはリビア西部サブラタの沖合で難破したとみられる。サブラタは地中海横断ルートの主要出発点のひとつである。
人身売買組織は近年、内戦で荒廃したリビアの混乱に付け込み、利益を上げている。亡命希望者の多くがサハラ砂漠以南の紛争地や東アフリカの貧しい国々の市民である。
一部のメディアは15人が殺害された可能性があると報じている。
リビアのあるNGOは声明で、「人身売買組織は15人を殺害し、ボートに火を放った」と報告している。
国際移住機関(IOM)は今年6月、リビアを出港した亡命希望者少なくとも150人が上半期に死亡、565人が行方不明になっていると報告した。
リビアは近隣諸国や中東の紛争・貧困から逃れてきた移民の中継地になっている。
人権団体によると、女性や子供を含むリビアに送還された人々の多くは、政府が運営する不衛生な拘置所に収容され、拷問、レイプ、虐待に直面しているという。