◎リビアの暫定政府は今年3月、国を長年統治してきた2つのライバル政党に取って代わった。
9月24日、リビアの首都トリポリに集まった抗議者たちは、暫定政府に対する不信任決議案が可決されたことに強く反対し、議員らに再考を促した。衆議院は21日に同決議案を賛成多数で可決した。
トリポリの中央広場に集まった数百人の抗議者たちは衆議院の決定に抗議し、暫定政府を維持するよう訴えた。地元メディアの取材に応じた男性は、「衆議院の決定は国民の意思を反映していない」と述べた。
リビアの暫定政府は今年3月、国を長年統治してきた2つのライバル政党に取って代わった。
暫定政府の主な役目は12月24日に予定されている総選挙の準備だったが、閣僚たちは選挙法を完成させることができなかった。
石油資源の豊富なリビアは2011年に勃発したアラブの春で国を長年統治してきた独裁者のムアンマル・カダフィが殺害され、大混乱に陥った。NATO後援の蜂起でカダフィは討伐されたが、その後リビアはハリファ・ヒフター司令官率いる東部政府と首都トリポリの国連支援政府に分断され、世界で最も危険な国のひとつになった。
12月の総選挙は分断を解消する第一歩と見なされている。しかし、東部に本拠を置く衆議院の不信任決議案可決は緊張が解消されていないことを示した。
東部政府のヒフター司令官は22日、自称リビア軍における自分の役割を3カ月間停止すると発表し、12月の大統領選に立候補すると示唆した。
一方、暫定政府のアブドゥル・ハミド・ドベイベ首相は、選挙で選ばれた議員に権力を引き継ぐまで辞任しないと誓い、衆議院の不信任決議を却下した。
ドベイベ首相は西部の都市ミラスタ出身の元ビジネスマンで、今年3月に暫定政府のリーダーに任命された。
国際社会は民主的な選挙で大統領と議員を選ぶようリビアに圧力をかけている。
国連は24日の声明で、「フランス、ドイツ、イタリアの外相は国連総会の中でリビアの総選挙について協議し、12月24日に選挙を行うという暫定政府の約束に合意した」と述べた。
リビアのムハンマド・メンフィ評議会議長は国連総会演説の中で、「政府は来月、選挙プロセスを軌道に乗せる国際会議を主催する」と発表したが、詳細は明らかにしなかった。
その後、フランスは総選挙に関する会議を11月にリビアで開催すると発表した。ヒフター司令官はドベイベ首相の不信任決議却下に関するコメントをまだ発表していない。