◎独裁者ムアンマル・カダフィ大佐の次男であるセイフ・イスラム氏は、来月予定されている大統領選挙の立候補資格を失った。
リビアの選挙管理当局は24日、独裁者ムアンマル・カダフィ大佐の次男であるセイフ・イスラム氏は来月予定されている大統領選挙の立候補資格を失ったと発表した。
国の高等選挙委員会が発効した禁止候補者リストによると、イスラム氏は革命後に有罪判決を受けているため、立候補する資格を失ったという。
リビアの民兵軍は2011年10月にカダフィ大佐を討伐したが、革命で重要な役割を果たしたハリファ・ハフタル司令官率いる東部軍と首都トリポリの国連支援政府はその後激しく対立し、リビアは世界で最も危険な国のひとつになった。
イスラム氏も2011年11月に拘束され、2015年に死刑判決を受けたが、2017年6月に釈放された。同氏は人道に対する罪でハーグの国際刑事裁判所(ICC)に出廷を求められているものの、応じていない。
リビアは停戦協定締結以降も続く内戦を終結させ、民主主義を確立するために、12月24日に大統領選挙と議会選挙を行う予定である。内戦に関与する武装勢力はロシア、トルコ、シリア、その他の地域大国の傭兵や兵士の支援を受けている。
イスラム氏は11月14日に立候補届を提出したが、一部の議会議員は立候補を拒否する声明を発表し、アブデル・ラーマン・エル・スワヒリ議員は、「カダフィの息子は大統領選ではなく、ICCに出廷しなければならない」と厳しく非難した。
故ガダフィ大佐には8人の子供がおり、その大半が独裁政権時代に重要な役割を果たした。五男のムアタシムは父親と同じ時期、アル・アラブとハミースは革命の初期に殺害されている。
革命で重要な役割を果たしたヒフター司令官やアブドゥルハミド・ドベイバ暫定首相を含む有力候補者たちも大統領選への立候補を表明している。
一方、リビアのヤン・クビシュ国連特使は先週辞表を提出した。クビシュ特使は24日、国連安全保障理事会に、「変化を促すために辞任する」と語った。西側諸国は辞任を受け入れたが、ロシアは拒否している。
クビシュ特使は会議後の記者会見で、「安保理は12月10日付けの辞任を受け入れたが、それ以降も暫定特使として12月24日の総選挙を支援する準備はできている」と述べた。
安保理の報道官は記者団に、「安保理はクビシュ特使の後任を探しており、見つかるまでの間、クビシュ特使と協力し続ける」と述べた。
また安保理は24日付けの声明でリビア総選挙の重要性を強調し、「包括的かつ民主的な選挙プロセス」を推進するよう促したうえで、リビアの国民に投票結果を受け入れ、暴力とフェイクニュースに惑わされないよう求めた。