マリ軍政、在フランス大使館の職員逮捕、フランス外務省が発表

軍政は2日前、国を不安定化させようとしたとして、将軍2人とフランス人スパイとみられる人物を含む軍人および民間人のグループを逮捕したと発表した。
2022年1月14日/マリ、首都バマコ、フランスの制裁に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

フランス外務省は16日、アフリカ西部・マリの軍事政権が在フランス大使館の職員を逮捕したと明らかにした。

軍政は2日前、国を不安定化させようとしたとして、将軍2人とフランス人スパイとみられる人物を含む軍人および民間人のグループを逮捕したと発表した。

フランス外務省によると、スパイ疑惑で逮捕されたフランス人は首都バマコに駐在する大使館の職員。同省は声明で、当局が具体的な証拠を示さず、この職員を一方的に逮捕したと非難した。

また同省は「誤解を解くための対話が進行中である」と述べ、「男性の逮捕はウィーン条約に違反するものである」と指摘した。

当局は男性の認否を明らかにしていない。

軍政の報道官は14日の夕方に放送された国営テレビのインタビューで、「徹底的な調査が進められており、状況は完全にコントロール下にある」と語った。

軍指導部は2020年と21年のクーデターで政権を奪取。それ以来、ゴイタ(Assimi Goita)大将が最高指導者として国を率いている。

軍政の報道官はこの男性について、「フランスの諜報機関の代理として、我が国の政治指導者、市民社会関係者、軍関係者らを動員した」と主張した。

国営テレビによると、クーデター計画に関連する取り締まりは8月1日から始まったとい。国営テレビは容疑者とされる11人の顔写真を公開した。

マリとその隣国ブルキナファソとニジェールは10年以上にわたって国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

マリ北部を含む広大なサヘル地域では多くの過激派が活動している。

3カ国の軍政はフランスを含む西側諸国との関係を断ち、紆余曲折の末、サヘル諸国連合(AES)を形成し、ロシアに急接近。今年1月末に西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)から正式に脱退した。

軍人や政界関係者で構成される全国評議会は先月、ゴイタ氏の大統領就任を全会一致で採択。必要に応じて好きなだけ任期を延長でき、選挙は必要ないとした。

これにより、ゴイタ氏は少なくとも2030年まで軍政を率いることが確定した。

軍政は5月、すべての政党と組織を解散させ、集会を禁じた。

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