▽チャドはサヘル地域でフランスが大規模な軍事プレゼンスを維持している同盟国のひとつであり、長年にわたりイスラム過激派と戦ってきた。
フランス軍がアフリカ西部・チャドに駐留する部隊の撤退を急いでいる。
フランス政府は20日、チャド当局から12月31日までに首都ンジャメナの基地からすべての人員を撤退させるよう求める通達を受け取ったと明らかにした。
チャドはサヘル地域でフランスが大規模な軍事プレゼンスを維持している同盟国のひとつであり、長年にわたりイスラム過激派と戦ってきた。
軍事政権が統治する隣国のマリ、ブルキナファソ、ニジェールはフランスとの関係を断ち、ロシアに接近。ロシアは広大なサヘル地域に民間軍事会社ワグネルや正規軍の兵士を配置し、イスラム過激派を掃討している。
フランスは12月24日から兵士の移送を開始する予定であった。ロイター通信によると、政府は来年3月までの段階的な撤退に向けて交渉を進めていたという。
しかし、フランスは撤退を急がなければならなくなり、最初の120人を20日にフランスに送り返した。
チャドの状況は急速に変化している。
今年10月には西アフリカ最大のイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」がチャド湖地域の軍事基地を攻撃し、40人のチャド兵が死亡した。
政府はこの攻撃を受け、「フランス軍が情報や援助の提供を拒否した」と非難した。
フランスの不手際はチャド政府の不興を買い、フランス兵の撤退要求に発展。チャドはフランスとの防衛協定を打ち切った。
チャド国内ではフランス軍の撤退を求める抗議デモが続いている。