◎リビア沖と海岸沿いではドベイバ政権の支援を受ける民兵組織「444旅団(444 Brigade)」がパトロールを行っている。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は29日、正体不明の武装集団がリビア沖で救助した移民とみられる女性と子供たちを連れ去ったと明らかにした。
それによると、MSFが運営する救助船は28日、リビア沖で移民とみられる112人を救助したという。死者は確認されていない。
その後、リビア沿岸警備隊を名乗る2隻のボートに乗った武装兵たちがMSFの救助船に近づき、移民を引き渡すよう要請。MSFが応じると、武装兵たちは24人の女性と4人の子供だけを乗せ、走り去った。
妻と子供を連れ去られた男性によると、移民たちが乗っていたボートに武装兵のボートが近づき、銃を乱射したため、人々はパニックを起こし、海に飛び込んだという。
その後、偶然近くに居合わせたMSFの救助船が人々を救助した。
MSFは声明で、沿岸警備隊にボートを追跡するよう求めた。
リビア沖と海岸沿いではドベイバ政権の支援を受ける民兵組織「444旅団(444 Brigade)」がパトロールを行っている。
リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
その多くは紛争や貧困から逃れた人々で、危険な砂漠や地中海を渡るために人身売買組織に金を支払う。国際移住機関(IOM)によると、昨年リビア沖で死亡が確認された移民は962人。少なくとも1563人が行方不明になったという。
今年、地中海横断中に死亡した移民は11月28日時点で2124人となっている。