移民84人がモロッコからスペイン領セウタに泳いで入国
沿岸警備隊の巡視艇が84人を発見。複数人を救助し、残りは自力でセウタの海岸にたどり着いた。
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少なくとも54人の子供と30人の成人がアフリカ北西部・モロッコからスペイン領セウタへ泳いで渡った。スペイン国営RTVEが26日に報じた。
それによると、沿岸警備隊の巡視艇が84人を発見。複数人を救助し、残りは自力でセウタの海岸にたどり着いたという。
84人はセウタの移民センターに収容された。
RTVEによると、地元当局は亡命を希望する移民が急増しているとして、中央政府に支援を要請したという。
自治政府の報道官は26日の記者会見で、「これはスペインの問題であり、国を挙げて対処しなければならない」と語った。
スペイン領のセウタ、メリリャ、カナリア諸島には数年前からアフリカや中東の移民が押し寄せている。
昨年8月26日には数百人の移民がモロッコからセウタに泳いで渡った。
モロッコ内務省によると、24年1月から25年6月にかけて、国境警備隊は15万件以上の不法入国・出国を阻止したという。
セウタとメリリャへの亡命中に亡くなる人はカナリア諸島に比べるとはるかに少ない。
サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた何万人もの移民がアフリカ北西部のモーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアからカナリア諸島を目指し出港する。このルートは世界でも最も危険な航路のひとつであり、遭難したらまず助からない。
スペイン当局によると、昨年カナリア諸島に到着した移民は約4万7000人、過去最多を更新した。今年は5月末時点で約1万1000人となっている。
スペインのNGO「カミナンド・フロンテラス(Caminando Fronteras、CF)」は昨年末、24年1月1日~12月5日までの間に海路でスペインを目指した移民1万457人が死亡または行方不明になったと明らかにした。
モロッコのメリリャ国境では22年6月、数百人の移民が国境フェンスに押し寄せ、治安部隊と衝突。23人が死亡した。