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インドネシアのゴミ処理施設で崩落事故、5人死亡、行方不明者の捜索続く

事故が起きたのは西ジャワ州ブカシにある廃棄物処理施設、ジャカルタ首都圏の家庭ゴミの大半を受け入れているインドネシア最大の埋立地である。
2026年3月9日/インドネシア、事故が発生した西ジャワ州のゴミ処理施設(AP通信)

インドネシア・ジャカルタ近郊にある国内最大のゴミ処理施設で9日、「ゴミの山」が崩れ、少なくとも5人が死亡、複数人が行方不明になっている。国家防災庁(BNPB)が明らかにした。現場では救助隊による大規模な捜索・救助活動が続いている。

事故が起きたのは西ジャワ州ブカシにある廃棄物処理施設、ジャカルタ首都圏の家庭ゴミの大半を受け入れているインドネシア最大の埋立地である。当局によると、8日夜から続いた激しい雨の影響で巨大なゴミの山が崩れたという。

現場には救助隊員、警察、軍、ボランティアなど300人以上が投入され、重機や探知犬を使った捜索が行われている。当局は複数の収集車や掘っ立て小屋が巻き込まれ、救助隊が二次災害に注意しながら慎重に作業を進めている。

これまでに5人の死亡が確認された。地元テレビ局は当局者の話しとして、「ゴミ収集車の運転手や、埋立地近くで営業していた屋台の店主などが亡くなり、少なくとも3人が行方不明で、さらに多くの人が巻き込まれた可能性もある」と伝えている。事故当時、周辺では作業員や回収業者などが働いていた。

BVPBの報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。今後数日間はジャカルタ周辺で雨が予想されているとして、さらなる崩落の危険性を警告した。崩れたゴミの堆積物は非常に不安定で、救助活動にあたる隊員にも危険が及ぶ恐れがあるという。

今回の事故はインドネシアのゴミ処理体制の問題を改めて浮き彫りにした。この埋立地は約110ヘクタールの広さを持ち、ジャカルタ首都圏から毎日大量のゴミが運び込まれる重要施設だが、長年にわたり過密状態が指摘されてきた。ゴミの堆積量が限界に近づいているとの指摘もあり、安全性への懸念が高まっていた。

インドネシアでは過去にも埋立地で同様の崩落事故が起きている。2005年には西ジャワ州バンドン近郊で大規模なゴミ崩落が発生し、31人が死亡、多数の住宅が埋まる被害が出た。

さらに2026年1月にはフィリピンの埋立地でも同様の崩落事故が発生し、作業員らが巻き込まれて多数の死傷者が出た。東南アジアでは急増する都市ゴミへの対応が大きな課題となっている。

インドネシア政府はこうした問題に対応するため、ゴミをエネルギーに転換する「廃棄物発電」計画を進めている。政府は新たな規制を通じて投資や許認可の手続きを簡素化し、埋立地への依存を減らす方針を示しているが、今回の事故は廃棄物管理の改善が急務であることを改めて示す形となった。

救助活動は現在も続いており、当局は行方不明者の発見とともに事故原因の詳しい調査を進めている。急速な都市化と人口増加が続くジャカルタではごみの処理能力が追いついておらず、埋立地の安全管理と廃棄物処理政策の見直しが今後の大きな課題となっている。

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