▽サラ氏は昨年11月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア大統領とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領(Getty-Images).jpg)
フィリピンの議会下院(定数316)は5日、サラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領の弾劾決議案を賛成多数で可決し、上院(元老院、定数24)に送った。
サラ氏は昨年11月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。
当局はこの事態を受け、サラ氏に召喚状を送り、マルコス・ジュニア氏との争いの詳細を明らかにするよう命じた。
マルコス・ジュニア氏とサラ氏は22年の大統領選で勝利して以来、何度も対立してきた。フィリピンでは副大統領も選挙で選出するため、同国を代表する2つの勢力がポストを占める結果となった。
マルコス家とドゥテルテ家はフィリピンで最も強力な一族であり、激しい権力争いを繰り広げてきた。
今回の暗殺論争の背景にはサラ氏の父であるドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領とマルコス・ジュニア氏の確執がある。マルコス政権は国際刑事裁判所(ICC)の要請に応じ、ドゥテルテ氏の身柄引き渡しを検討している。
またサラ氏は公的資金を不正に使用し、説明のつかない富を蓄えたという疑惑にも直面している。サラ氏はこれらの疑惑を全て否定している。
フィリピンでこのクラスの弾劾決議案が可決されたのは2000年のエストラダ(Joseph Estrada)元大統領以来2人目。
ドゥテルテ氏の弟であるパオロ・ドゥテルテ(Paolo Duterte)下院議員は弾劾決議案を「政治的な動機によるもの」と非難した。
上院の採決時期は明らかになっていない。
サラ氏は自身が暗殺される可能性があるという疑惑の詳細を明らかにしておらず、マルコス・ジュニア氏は関与を否定している。
下院は現在、サラ氏が受け取った6億1250万フィリピンペソ(約16億円)の政治資金の不正使用疑惑を調査している。