中国で「安否確認アプリ」が人気に、Are You Dead?
このアプリはユーザーが2日ごとに画面上の大きなボタンを押して「生存確認」をするという極めてシンプルな機能を持ち、指定した連絡先にその情報を送信する仕組みだ。
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中国で一人暮らしの若者を中心に、「Are You Dead?(中国語名「死了么」)」という安否確認アプリが急速に人気を集めている。このアプリはユーザーが2日ごとに画面上の大きなボタンを押して「生存確認」をするという極めてシンプルな機能を持ち、指定した連絡先にその情報を送信する仕組みだ。2日連続でチェックインがなかった場合、自動的に登録した緊急連絡先に「異常の可能性」を通知する仕組みとなっている。
このアプリは2025年5月に静かにリリースされたが、2026年初めに中国のApp Storeの有料アプリランキングで首位に躍り出るほど急速にダウンロード数を伸ばした。特に都市部で一人暮らしをする若者たちの間で広まっており、単身者の増加や社会的孤立への不安を背景に支持が高まっている。
中国では近年、結婚・出産の遅れや都市への人口集中、高齢化が進行し、一人暮らし世帯の割合が急増している。研究機関の予測では、2030年までに中国の一人暮らし世帯は2億世帯に達する可能性があるという。このため、独居者の安全を確保するツールへの需要が高まっている。
アプリの開発者は「一人で生活する人々が、もし突然何かあっても誰かに知らせる手段が必要だ」と説明しており、対象ユーザーとして単身赴任者や学生、都市で働く若者などを挙げている。中国国内のネットユーザーからは、「もし死んだら誰が気づくのか」といった孤独への不安を率直に語る声も見られ、アプリの機能がこうした感情と結びついていることがうかがえる。
アプリの名称は直訳すると「死んだのか?」という刺激的なものだが、この点については論争が起きている。中国語で「死」という言葉は忌み言葉とされる文化的背景もあり、利用者やネット上では「もっと穏やかな表現にすべきだ」といった意見が相次いでいる。批判的な声の多くは名称の選択に向けられており、「生きている?」や「大丈夫?」といった言葉に変更すべきだとの提案も出ている。
一方で開発者側は、この名称が人々に日々の生活の大切さを思い起こさせる意図を持つと説明しており、単なるショッキングな表現ではないと強調している。アプリ自体は低価格で提供され、ユーザーは緊急連絡先として家族や友人の連絡先を設定することで、万一の際に素早く知らせることができる。
利用者の反応は多様で、実用性を評価する声と、名称やコンセプトに違和感を覚える声が混在している。それでもダウンロード数の急増は、孤独や社会的つながりへの不安が広範な現象となっていることを象徴している。中国社会における一人暮らしのライフスタイルが一般化する中で、安全・安心を保証する新しいテクノロジーの役割が問われている。
アプリは国際版としても一部の海外アプリストアで有料ユーティリティ部門上位に入り、海外在住の中国人からの利用も目立つ。開発チームは今後、高齢者向けの機能追加なども検討しているとされ、一人暮らし人口の安全ニーズに応えるサービスとして進化が期待されている。
