◎スリウィジャヤ航空182便ボーイング737「クラシック」は、首都ジャカルタのスカルノハッタ国際空港から西カリマンタン州ボンティアナックのスパディオ空港に向けて飛行を開始した直後に墜落した。
◎政府当局者は、「約4,000人体制で犠牲者、ブラックボックス、182便のパーツの捜索および回収を行っている」と述べた。
1月11日、救助隊員たちは、インドネシア沖に墜落したスリウィジャヤ航空182便ボーイング737「クラシック」の犠牲者とブラックボックスの捜索を続けている。
182便は、首都ジャカルタのスカルノハッタ国際空港から西カリマンタン州ボンティアナックのスパディオ空港に向けて飛行を開始した直後に墜落した。
インドネシア国家捜索救助局(BASARNAS)は11日夜の記者会見で、「182便の墜落地点から200mほど離れた場地点でブラックボックスの信号を受信したが、発見には至らなかった」と述べた。
ブラックボックス(フライトデータレコーダーとコックピットボイスレコーダー)には飛行機に関するデータが保存されている。同機は何らかの理由で高度29,000フィート(8,839m)から急降下し、海に墜落したと考えられている。
政府当局者は声明で、「約4,000人体制で犠牲者、ブラックボックス、182便のパーツの捜索および回収を行っている」と述べた。
BASARNASは船舶54隻、ヘリコプター3機、水中遠隔操作無人探査機などを配備し、これまでに乗客乗員の遺体の一部、機体のパーツ24個、その他の破片を発見したと報告した。
BASARNASの責任者は、バグス・プルヒト氏は、「明日以降も墜落地点周辺の捜索活動を継続する。速やかに犠牲者を発見し、家族の元に帰してあげたい」と述べた。
警察当局は、客室乗務員1人(29歳女性)の身元を確認したと発表した。
182便の乗客は子供7人、赤ちゃん3人を含む計50人。乗務員は12人、全員インドネシア市民だった。
今回墜落したボーイング737クラシック(初就航は1994年5月)は、2018年10月と2019年3月に墜落事故を起こし、昨年飛行を許可されたボーイング737maxとは異なる機種である。
インドネシア海軍のユド・マルゴノ氏は記者団に対し、「機体のパーツの回収は進んでいるが、ブラックボックスの捜索は難航している」と語った。
AP通信によると、調査官は機体の車輪や胴体の一部と思われるパーツの分析を開始しているという。地元メディアも、「エンジンのひとつを回収した」と報じた。
国家運輸安全委員会は、5段階ある調査プロセスの第2段階まで調査は進んでいると報告した。
また委員会の調査官によると、機体の各パーツが比較的狭いエリアで発見されていることから、「飛行機は空中で爆発したのではなく、海面に接触した衝撃で破壊された可能性が高い」という。
182便が消息を絶った9日の14時40分頃、墜落地点近くの漁港にいた漁師は地元メディアの取材に対し、「大きな爆発音が聞こえた。その後、高さ2メートルほどの大きな波がボートに当たるのを見た。飛行機が墜落するところは見なかった」と述べた。
スリウィジャヤ航空は2003年に就航した格安航空会社である。墜落事故を起こしたのは今回が初めて。
2008年、同社の飛行機は着陸中に滑走路を外れ、農民1人が巻き込まれ死亡した。