◎シンガポール籍のコンテナ船、X-Press Pearl号は5月20日から約2週間燃え続け、沈没した。
現地メディアによると、スリランカ沖で化学物質を積んだコンテナ船が沈没し、環境災害の懸念が高まっているという。
シンガポール籍のコンテナ船、X-Press Pearl号は5月20日から約2週間燃え続けた。地元メディアによると、船体は火災の影響でほぼ崩壊し、積み込まれていたコンテナの一部は海に落下したという。専門家は地元メディアのインタビューの中で、「タンク内に残っている数百トンの燃料が流出すれば、周辺の海洋生物は壊滅的な被害を受ける」と警告した。
スリランカとインドの海軍はコンテナ船の沈没を防ぐために協力してきたが、荒波とモンスーンに阻まれ、消火と牽引作業は難航していた。
スリランカ海軍のインディカ・デ・シルバ大尉は6月2日、「現在地(コロンボの北西約18km)で燃料や化学物質などが流出した場合、海洋生物と地域の産業は深刻な影響を受ける可能性がある」と述べた。
スリランカ海軍は以前の声明で、「火災は化学薬品の取り扱い不備により発生した可能性がある」と述べていた。X-Press Pearl号には硝酸25トンとその他の化学物質を収めたコンテナ1,486個が積み込まれていた。
地元メディアによると、同船の乗組員は5月11日の時点で硝酸が漏洩していたことに気づいていたという。同船を所有するX-Press Feedersは声明で、「カタールとインド当局は港にとどまることを拒否した」と述べた。同船は5月15日にインドのハジラ港を出航したと伝えられている。
スリランカでは、危険な状態にあったコンテナ船の入港を許可した当局に対する非難の声が上がっている。
X-Press Pearl号の沈没地点
スリランカで活動している環境保護団体のアジャンタ・ペレラ氏は地元メディアの取材に対し、「沈没は恐ろしい環境災害を引き起こす可能性がある」と警告した。「燃料と化学物質は海水と混ざり合い、環境を破壊し、漁業に深刻な影響を与えるでしょう」
スリランカ当局は現在、予防措置の一環として、周辺の海域(沖合から80km)での漁業を禁止する措置を課している。
西オーストラリア大学の海洋学教授、チャリサ・パティアラッチ氏によると、X-Press Pearl号にはプラスチックパレット約78トンが積み込まれていたという。同氏はフェイスブックに、「燃料、化学物質、プラスチックなどが海に放出され、海と浜辺を汚染する可能性がある」と投稿した。「ナードル(プラスチック粒子)は分解されず、海を漂い続け、生物と漁業に深刻な影響を与えます...」
コロンボの裁判所は2日、X-Press Pearl号の船長、エンジニア、アシスタントエンジニアの出国を禁止すると発表した。地元メディアによると、政府はX-Press Feedersに対する法的措置を準備しているという。
X-Press Pearl号の乗組員25人はフィリピン人、中国人、インド人、ロシア人と伝えられているが、詳細については明らかにされていない。