◎フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏(64歳)はボンボン・マルコスと呼ばれている。
10月5日、フィリピンの元独裁者フェルディナンド・マルコスのひとり息子であるフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏(ボンボン・マルコスと呼ばれている)が来年予定されている大統領選への立候補を表明した。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領と密な関係を構築しているボンボン氏はフェイスブックに投稿したビデオメッセージの中で、「フィリピンに統一されたリーダーシップをもたらす」と述べた。
ボンボン氏は2010年から2016年まで上院議員を務め、2016年の副大統領選に立候補し落選した。現地メディアによると、ボンボン氏は主に若者から支持を集めているという。
ボンボン氏は以前、故フェルディナンド・マルコスはフィリピンの経済成長に発展したという趣旨の発言をし、独裁下のフィリピンを知る人々から非難された。
フェルディナンド・マルコスは1965年から20年以上フィリピンを統治し、1986年の革命で打倒された。マルコスはフィリピンを戒厳令下に置くことで独裁体制を確立し、議会を閉鎖したうえでライバルを逮捕した。
マルコスは敵対勢力に対する超法規的殺人(即決処刑)と拷問を推進し、国軍の兵力を増強したが、1986年2月に行われた100万人規模の抗議デモと圧力に屈し、ハワイに逃亡した。
ボンボン氏は1983年から1986年まで故郷の州知事を務めていたが、家族と一緒にハワイに亡命し、父親の死後フィリピンに帰国した。
一部の専門家は、政界引退を表明したドゥテルテ大統領の娘とボンボン氏が同盟を組み選挙活動を行うと予想している。
ダバオ市の市長を務めるサラ・ドゥテルテ氏は父親が副大統領選出馬を表明した直後、大統領選には立候補しないと発表し、ダバオ市の市長選に立候補する書類を提出した。
しかし、一部の地元メディアは、ドゥテルテ大統領の副大統領選不出馬と政界引退はサラ市長の背中を押す可能性があると報じた。
ドゥテルテ大統領はマルクス家と親密な関係を構築しており、元独裁者を首都マニラの英雄墓地に埋葬することを許可し、マルクス家が隠し持つとされる富の調査を終了する可能性に言及した。マルクスは多額の国家資産を横領したと考えられているが、全容は分かっていない。
2021年の大統領選には元ボクシング世界チャンピオンのマニー・パッキャオ上院議員とマニラのフランシスコ・モレノ・ドマゴソ市長が立候補を表明している。