◎知事が腰、補佐官が足を撃たれ負傷。同乗していた護衛4人はその場で死亡が確認された。
フィリピンの左翼ゲリラ(Getty-Images)

フィリピン当局は17日、南部ミンダナオ島の南ラナオ州知事の車列が銃撃を受け、護衛4人が死亡、知事と補佐官が負傷したと発表した。

地元警察によると、知事が腰、補佐官が足を撃たれ負傷。同乗していた護衛4人はその場で死亡が確認されたという。

車列は南ラナオ州とブキドノン州の境界付近を移動中に攻撃を受けた。警察によると、重装備の男たちが車列をハチの巣にしたという。

軍と警察は現場を封鎖し、武装集団を追跡している。

負傷した知事の兄弟はフェイスブックに声明を投稿。知事と補佐官の容体は安定していると報告した。

軍は事件の詳細を明らかにしていないが、一部の地元メディアはミンダナオ島で活動するイスラム過激派の犯行とみられると報じた。

南ラナオ州はイスラム教自治区のひとつである。

政府とフィリピン最大のイスラム系反政府武装勢力「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」は2014年に和平協定を結んだ。

政府はMILFの戦闘員数千人に生活支援を提供。MILFはこれと引き換えに銃器を捨てると約束した。支援プロセスは2025年まで続く。

共産ゲリラの指導者たちは自治区5州・県を管理しているが、強硬派の離反者たちは今も政府と戦い続けている。5州・県では2025年から選挙も行われる予定だ。

イスラム国(ISIS)に属する過激派は2017年、南ラナオ州のマラウィ市を包囲した。

軍は5カ月にわたる大規模な空爆と地上攻撃で過激派を何とか鎮圧。作戦中に死亡した民間人は少なくとも87人、軍の死者は165人、負傷者は1400人以上と推定されている。

軍は過激派の戦闘員を1000人近く殺害した。

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