◎パキスタンでは近年、イスラム過激派によるテロ攻撃が相次いでおり、その多くがアフガンと国境を接するバルチスタン州とカイバル・パクトゥンクワ州で発生している。
パキスタン、南西部バルチスタン州のアフガン国境近く(Getty Images)

パキスタン軍がアフガニスタンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州で武装勢力の複数の隠れ家を摘発し、37人を殺害した。陸軍が8月30日、明らかにした。

それによると、治安部隊は南西部バルチスタン州でも5人の武装勢力を殺害したという。

当局はバルチスタン州の反乱軍のテロ攻撃により警察官や市民など50人以上が殺害されて以来、アフガン国境と周辺地域の取り締まりを強化している。

軍は声明で、「カイバル・パクトゥンクワ州のある隠れ家を摘発した際には、一夜にして12人の武装勢力を殺害した」と述べた。

それによると、8月20日に取り締まりを強化して以来、同地で殺害された武装勢力は37人にのぼったという。

軍は別の声明で、「治安部隊は3回の作戦で、バルスチタン州のテロ攻撃に関与した5人の武装勢力を殺害した」と明らかにした。

内務省によると、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」を含む反乱軍は首都イスラマバードで今年10月に開催される上海協力機構(SCO)首脳会議を台無しにするために大規模攻撃を仕掛けたとみられる。

パキスタンでは近年、イスラム過激派によるテロ攻撃が相次いでおり、その多くがアフガンと国境を接するバルチスタン州とカイバル・パクトゥンクワ州で発生している。

バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。

スポンサーリンク