◎中央政府は現在、ビザを持たない不法移民を逮捕・国外追放する取り組みを進めている。
パキスタン南西部バルチスタン州政府は11月30日、不法滞在しているアフガン難民をひとり残らず逮捕し、強制送還するという目標を策定したと明らかにした。
中央政府は現在、ビザを持たない不法移民を逮捕・国外追放する取り組みを進めている。
同政府は先月、全ての不法移民に対し、11月1日までに国外に退去するよう命じ、それ以降に残っている移民は逮捕・強制送還すると警告していた。
南西部と北西部のアフガン国境検問所にはアフガン難民が殺到し、地元住民の往来に影響が出ている。
バルチスタン州政府の報道官はAP通信の取材に対し、「強制送還の対象となった一部の不法移民が遠隔地に逃走したという情報がある」と語った。
また報道官は「不法移民をひとり残らず逮捕する」という目標について、「中央政府の方針に基づくものであり、警察に取り締まりを強化するよう要請した」と明らかにした。
それによると、中央政府は外務省などの関係部門・機関・自治体に対し、逮捕した不法移民を1日1万人国外に追放するよう要請したという。
北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所とバルチスタン州の検問所周辺ではこの数日、多くのアフガン難民が逮捕されている。
パキスタン当局によると、アフガン人少なくとも140万人が適切な書類・ビザを持たない不法移民に分類されるという。
1979~89年の旧ソ連によるアフガン侵攻の際、数百万人のアフガン人がパキスタンに逃れた。2021年8月の政変後にパキスタンに逃れたアフガン人は10万人と推定されている。
国連はパキスタンに居住するアフガン難民を170万人と推定(10月末時点)している。
当局が取り締まりを開始して以来、40万人以上がアフガンに帰国した。
タリバン暫定政権は今週、「この2カ月で41万人がパキスタンから帰国した」と明らかにしていた。
またタリバンはイランを含む他の国にもアフガン人20万人以上が流入し、イラン政府は不法移民の取り締まりを強化していると懸念を表明した。