▽政府与党が国会に提出した「電子犯罪防止法案」では政府、裁判官、軍隊、議会、地方議会などを批判する内容など、ソーシャルメディアから「違法かつ攻撃的」とみなされる内容の即時ブロックを命じる権限を持つ機関を設立する。
パキスタンの議会上院は28日、偽情報を流したSNSユーザーを実刑に処すなど、政府がソーシャルメディアを徹底的に管理する法案を賛成多数で可決した。
政府与党が国会に提出した「電子犯罪防止法案」では政府、裁判官、軍隊、議会、地方議会などを批判する内容など、ソーシャルメディアから「違法かつ攻撃的」とみなされる内容の即時ブロックを命じる権限を持つ機関を設立する。
そのような内容を投稿した個人や組織はソーシャルメディアからブロックされる可能性がある。
X(旧ツイッター)やフェイスブックなどのソーシャルメディア・プラットフォームはこの機関への報告を義務付けられる。従わない場合は一時的または永久的なアクセス禁止処分を受ける可能性がある。
法案は近日中に発効する予定。偽情報の拡散を犯罪行為とし、違反した者に3年以下の懲役と最高200万ルピーの罰金を科すとしている。
下院は先週、法案を賛成多数で可決した。
首都イスラマバードでは28日、法案に抗議するジャーナリストたちが市内を行進。最大都市カラチやラホールなど、他の都市でも同様のデモ行進や集会が行われた。
法案はザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領の署名で成立する。地元メディアによると、法案は大統領府に送られたという。
収監中のカーン(Imran Khan)元首相と野党議員はこの法案を厳しく非難。政府が言論の自由を抑圧しようとしていると主張している。
各国政府はソーシャルメディアの偽情報、特に「組織的な偽情報の拡散」に悩まされている。
野党は憲法裁判所に法案の差し止めを求める訴えを起こすとしている。