◎バルチスタン州は石油資源が豊富であり、複数の分離主義勢力が20年以上にわたって反乱を繰り返してきた。
2022年8月28日/パキスタン、南西部バルチスタン州ジャファラバードの集落(Zahid Hussain/AP通信)

パキスタン軍は1日、南西部バルチスタン州のイラン国境近くで治安部隊が武装勢力の攻撃を受け、兵士2人が死亡したと発表した。

事件は同州郊外にある検問所付近で発生。武装した男たちが治安部隊に向けて銃を乱射した。

地元メディアによると、犯行声明を出した組織は今のところ確認されていないという。

軍報道官は声明で、「死亡した兵士2人はテロリストと勇敢に戦い、殉教した」と述べている。

また報道官は「イラン当局から国境警備を強化するという連絡を受けた」と明らかにした。

首都イスラマバードの在イラン大使館はツイッターに声明を投稿。この攻撃を非難し、死亡した兵士2人と遺族に哀悼の意を表した。

両国の国境付近ではテロ攻撃が相次いでいる。

イラン側では先月、国境警備隊と正体不明の武装勢力が衝突し、隊員5人が死亡した。

この地域に拠点を置く分離主義勢力やイスラム過激派は両国の国境警備隊を標的にしている。

バルチスタン州は石油資源が豊富であり、複数の分離主義勢力が20年以上にわたって反乱を繰り返してきた。

同州に拠点を置く「バルチスタン解放軍(BLA)」は中央政府と戦争状態にあり、イラン側にもテロ攻撃を仕掛けている。

BLAは同州の資源で得られる収入をより多く分配するよう中央政府に求め、それを拒否されると攻撃を開始。独立を目指すと宣言した。

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