◎パキスタンとアフガンの国境沿いでは銃撃戦やテロ攻撃が相次いでいる。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所が閉鎖された。地元当局が6日、明らかにした。
この検問所は同国とアフガニスタンの交易の要衝である。
パキスタン当局によると、検問所付近で6日、陸軍とアフガンの武装勢力による銃撃戦が発生し、陸軍兵士4人とテロリスト12人が死亡したという。
さらに、カイバル・パクトゥンクワ州北ワジリスタンのアフガン国境近くにある集落に迫撃砲が着弾し、子供4人とその母親の計5人が死亡した。
誰が迫撃砲を発射したかは明らかになっておらず、犯行声明も出ていないようだ。警察が集落を封鎖し、捜査に当たっている。
アフガンの武装勢力はこの地域に配備されている陸軍や国境警備隊への攻撃に迫撃砲を多用している。
AP通信はトルカム当局者の話しとして、「中央政府と軍当局は緊張を和らげるために、アフガン政府(タリバン)と連絡を取り合っている」と伝えている。
タリバンの報道官は6日、「パキスタン軍と武装勢力の間で銃撃戦が発生したことを確認した」と声明を出した。
また報道官は、「両政府関係者は連絡を密に取り、国境検問所の安全管理やこのような事件を防ぐ方法を模索している」と述べた。
この声明から数時間後、カイバル・パクトゥンクワ州チトラルにある陸軍の2つの駐屯地が武装勢力の攻撃を受け、兵士とテロリスト数人が死亡した。
陸軍は声明で、「最新の武器を装備したテロリストの大群が2つの駐屯地を攻撃した」と述べている。
陸軍はそれ以上の詳細を明らかにしなかったが、アフガンに拠点を置くTTP(パキスタンのタリバン運動)が関与していると示唆した。
陸軍は声明の中で、「アフガン政府がテロ組織を取り締まり、その義務を果たすことを期待している」と表明した。
パキスタンはアフガンからの越境攻撃を阻止するべく、国境フェンスの新設工事を進めており、国境の97%に有刺鉄線付きのフェンスを設置したとしている。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、昨年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。