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パキスタン・アフガン和平協議再開、カタールとトルコが仲介

パキスタン政府は前日、タリバンとの和平交渉が決裂したと発表。両国の代表団はトルコ・イスタンブールで25日から2回目の協議を行っていた。
2025年10月29日/アフガニスタン、南部カンダハル州のパキスタン国境近く(AP通信)

パキスタン政府とアフガニスタンのタリバン暫定政権が和平交渉を再開した。現地メディアが30日に報じた。

パキスタン政府は前日、タリバンとの和平交渉が決裂したと発表。両国の代表団はトルコ・イスタンブールで25日から2回目の協議を行っていた。

両政府は国境付近で数十人の死者を出した衝突が数日続いた後、停戦を発表。その後、この期間を延長し、停戦合意を尊重すると約束した。

最初の協議はカタール・ドーハで10月19日に行われ、停戦が成立した。

現地メディアによると、29日の交渉決裂後も両国の国境で戦闘は確認されていないという。

しかし、国境検問所は閉鎖されたままであり、物資を運ぶ数百台のトラックが両国境で足止めを食らっている。

パキスタンのアシフ(Khawaja Mohammad Asif)国防相は30日、地元メディアのインタビューで、「カタールとトルコの要請を受け、タリバンとの協議を再開した」と語った。

またアシフ氏は「パキスタンの代表団はイスタンブールにとどまっている」と述べた。

AP通信はパキスタン政府筋の話しとして、「タリバンが武装勢力に対し、明確な対応を取ることが和平の条件のひとつである」と報じている。

アフガンと国境を接するパキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)と反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。

パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。

パキスタン政府はタリバンがTTPを支援していると非難しているが、タリバン暫定政権はこれを否定している。

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