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パキスタンとアフガニスタンが和平協議開始、カタールが仲介

パキスタン政府とアフガンのタリバン暫定政権は15日、国境付近で数十人の死者を出した衝突が数日続いた後、停戦を発表。その後、この期間を延長していた。
アフガニスタン、イスラム原理主義組織タリバンの戦闘員(Getty Images)

パキスタンとアフガニスタンは18日、カタールの首都ドーハで和平協議を行っていると発表した。

パキスタン政府とアフガンのタリバン暫定政権は3日前、国境付近で数十人の死者を出した衝突が数日続いた後、停戦を発表。その後、この期間を延長していた。

タリバン暫定政権のムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は声明で、「本日ドーハでパキスタン側との交渉が行われる」と述べ、国防相率いる代表団がドーハに到着したと付け加えた。

パキスタン外務省も声明を出し、国防相がタリバン代表団との協議を主導すると発表した。

同省は声明で、「この協議では、アフガンから発するパキスタンに対する越境テロを即時終結させ、国境沿いの平和と安定を回復するための緊急措置に焦点を当てる」と述べた。

協議の期間は明らかになっていない。

ロイター通信は情報筋の話しとして、「協議は18日以降も続く可能性がある」と伝えている。

パキスタン軍は9日、アフガン領内に拠点を置くパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の拠点とされる施設を空爆。タリバンはこれを主権の侵害と糾弾した。

両国はその後の衝突で互いに数十人を殺害したと主張。現地の状況はほとんど明らかになっていない。

アフガンと国境を接するパキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにTTPと反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。

パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。

パキスタン政府はタリバンがTTPを支援していると非難しているが、タリバンはこれを否定している。

パキスタン当局は17日、カイバル・パクトゥンクワ州の国境付近で自爆テロが発生し、兵士7人が死亡、13人が負傷したと報告した。

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