パキスタンとアフガニスタンが停戦発表、国境付近で緊張高まる中
この停戦はサウジアラビアやカタールを含む中東諸国からの要請を受けて実現した。
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パキスタン政府とアフガニスタンのタリバン暫定政権は15日、国境付近で数十人の死者を出した衝突が数日続いた後、停戦を発表した。
この停戦はサウジアラビアやカタールを含む中東諸国からの要請を受けて実現した。暴力の激化により、イスラム国(ISIS)や国際テロ組織アルカイダなどの過激派が台頭を図っている地域の不安定化がさらに進む恐れがあったためだ。
戦闘は11日夜に発生したとされる。
パキスタン軍は自軍の兵士23人が死亡したと発表。タリバン側は自軍9人の死亡を認めた。
タリバン側はパキスタン軍の兵士58人を殺害したと主張。一方、パキスタン側はタリバンおよび関連テロリスト200人以上を殺害したと主張している。
パキスタン軍は9日、アフガン領内に拠点を置くパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の拠点とされる施設を空爆。タリバンはこれを主権の侵害と糾弾した。
パキスタン軍は空爆を公式に認めていない。タリバン当局によると、首都カブールと東部地域に爆弾が投下されたという。
アフガンと国境を接するパキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにTTPと反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。
パキスタン政府はタリバンがTTPを支援していると非難しているが、タリバンはこれを否定している。
パキスタン外務省は15日、停戦期間を48時間と説明。停戦はアフガン側の要請によるものだと述べた。両国の国境検問所は全て閉鎖されている。
この発表直後、タリバン暫定政権のムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は「停戦はパキスタン側の強い要請によるものだ」と反論した。
ムジャヒド氏は48時間という停戦期間には言及しなかった。
パキスタン軍は15日早朝、「夜間の戦闘で数十人のアフガン治安部隊員と武装勢力を殺害した」と発表した。
カブールで活動するNGOは市内で大きな爆発があり、少なくとも5人が死亡、40人が負傷し、うち10人が意識不明の重体と報告している。