◎事故は10日早朝に発生した。
クジラの尾びれ(Getty Images)

ニュージーランド政府は10日、南東のカイコウラ沖でボートが転覆し、2人が死亡、3人が行方不明と報告した。

国営テレビ・ニュージーランドによると、事故は10日早朝に発生したという。

カイコウラの広報担当はAP通信の取材に対し、「ボートの乗客11人のうち6人が救助された」と述べた。

このボートは漁業組合が貸し出しているチャーター船とみられ、乗客は釣りをしていた可能性が高いという。

現地の海水温は15度以下と報告されている。死亡した2人の身元と死因は明らかにされていない。

広報担当によると、事故を目撃した地元住民と沿岸警備隊が海に投げ出された6人を救助したという。

沿岸警備隊は救助ヘリ2機を派遣し、ダイバー2人が海中を捜索している。カイコウラの自治体もヘリ1機を送り、行方不明者の捜索を手伝っている。

テレビ・ニュージーランドは目撃者の話を引用し、「海は当時穏やかで、クジラがボートの下で浮上し、ひっくり返ったように見えた」と報じている。

この海域ではマッコウクジラやザトウクジラを見ることができる。カイコウラの広報担当はAPに、「この海域でボートとクジラが接触したという話は聞いたことがないし、記録もない」と語った。

地元警察は声明で、「沿岸警備隊と協力して捜査に当たっており、海域近くの港を一時的に閉鎖した」と発表したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

沿岸警備隊の救助活動を見守った女性はテレビ・ニュージーランドに、「展望スポットから横転したボートの上に座って手を振っている人の姿を確認できた」と語った。

女性によると、ボートの上にいた人は救助され、ダイバーが別の人を救助するところを見たという。

カイコウラはホエールウォッチングの人気スポットとして知られている。クジラやイルカなどの海の生き物を間近で見ることができるツアーを提供している会社も多い。

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