◎金正恩 党総書記は4月15日に建国者である金日成の生誕110年を祝う予定である。
2018年9月19日/北朝鮮、平壌のゲストハウス、左から金正恩、韓国のムン大統領、金与正(Getty-Images/AFP通信)

米国の北朝鮮特別代表は6日、北朝鮮が来週の祝日に合わせて核実験を含むさらなる挑発行為を取る可能性があると懸念を表明した。

北朝鮮の金正恩 党総書記は4月15日に建国者である金日成の生誕110年を祝う予定である。

米国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表は6日の記者会見で、「米国は同盟国やパートナーと協力、連携して、あらゆる事態に対処する用意がある」と述べ、核実験もあり得ると示唆した。

北朝鮮の最後の核実験は公式記録上では2017年9月である。

ロシア・ウクライナ戦争で東西の緊張が高まる中、キムは西側の経済制裁に抵抗し、ミサイル発射試験を乱発し、先月末には大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に踏み切った。

ソン・キム特別代表は記者団に、「残念ながら、現在の安全保障理事会でロシアや中国と生産的な議論を行うことはできない」と述べた。

中露はキムが複数の国連決議に違反しているにもかかわらず、安保理の公式非難声明をブロックしている。

それでも、米国と同盟国は対北朝鮮決議を追求している。ソン・キム特別代表は、「安保理は複数の安保理決議にあからさまに違反する行為に対応する必要がある」と述べ、中露を非難した。「同盟国だからという理由で決議違反を見逃すべきではありません。これは国連の信頼に関わる問題です」

またソン・キム特別代表は今週ワシントンD.C.の中国大使館を訪問したことも明らかにした。

ソン・キム特別代表は中露が拒否権を乱用しているにもかかわらず、「中国は朝鮮半島の完全な非核化という西側の目標を共有していると確信している」と語った。

中国は対北朝鮮制裁を緩和するよう西側に働きかけているが、米国はこれを拒否している。

またソン・キム特別代表は、「米国は公的にも私的にも、無条件で対話に応じるというメッセージを何度も送ってきたが、北朝鮮はまだ反応を示しておらず、残念に思っている」と語った。

キムは西側を威圧し続けている。

キムの妹でナンバー2の金与正(キム・ヨジュン)は今週、韓国政府が先制攻撃の可能性を示唆したことについて、「韓国が攻撃を仕掛けた場合、核兵器で対応する」と警告した。

西側の対北朝鮮制裁はうまく機能しているように見えるが、キムはそれでもミサイル試験を繰り返し、核開発を推し進めている。

ソン・キム特別代表は、「北の核開発は米国の制裁と圧力で思うように進んでいない」と強調した。

北朝鮮の経済危機、特に食糧不足は極めて深刻と伝えられているが、実態はほとんど明らかにされていない。1994年から1998年頃に発生した大飢饉では、市民200万~350万人が餓死または栄養不足に関連する病で死亡したと推定されている。

2018年9月/北朝鮮、平壌、金与正(朝鮮中央通信)
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