◎デモ隊はギャネンドラ元国王を支持するスローガンを唱え、カトマンズ市内を行進。その一部が市中心部の広場で機動隊に襲いかかった。
ネパールの首都カトマンズで23日、立憲君主制を支持するデモ参加者と機動隊が衝突した。
報道によると、このデモに参加した数万人の一部が暴徒化し、機動隊に石を投げつけたり、花火を撃ち込んだりしたという。
機動隊は放水砲と催涙ガスで応戦、数十人を拘束したと伝えられている。
デモ隊はギャネンドラ・ビル・ビクラム・シャー・デブ(Gyanendra Bir Bikram Shah Dev)元国王を支持するスローガンを唱え、カトマンズ市内を行進。その一部が市中心部の広場で機動隊に襲いかかった。
機動隊は警棒で暴徒を殴打し、放水砲と催涙ガス弾を発射。双方に負傷者が出た。
警察当局は政府庁舎などがあるエリアでのデモを禁じていたが、暴徒はこれを無視して首相府に接近したとされる。
群集はこう連呼した。「私たちは命より国王を愛しています。王政を取り戻せ。共和制を廃止せよ」
ギャネンドラ元国王は2008年に退位。同国は共和制に移行した。
デモ隊は以前、政府、政治家、公務員の汚職を非難し、ダハル(Pushpa Kamal Dahal)首相に対し、「立憲君主制に戻るまでデモを続ける」と宣言していた。
ダハル氏は1996年から2006年にかけて、立憲君主制廃止を目指す「ネパール共産党毛沢東主義派」を率いてきた。
ギャネンドラ元国王は2001年に兄が宮殿内で暗殺されたことを受け王となったものの、国民の支持を得られず、2006年に退位を表明した。
それ以来、ギャネンドラ元国王は国家の保護を受けない私人として静かに暮らしている。地元メディアは専門家の話しとして、「立憲君主制の支持率は5%に満たず、王政復古が実現する可能性は低い」と伝えている。