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米財務長官が韓国ウォン安に懸念「過度な変動望ましくない」

ベッセント氏は14日、韓国財務相との会談後、X(旧ツイッター)への投稿と会見で韓国ウォンの下落について言及した。
韓国ウォン紙幣(Getty Images)

米国のベッセント(Scott Bessent)財務長官は14日、韓国ウォンの最近の急落について、「韓国の経済基礎的条件(ファンダメンタルズ)と一致していない」との見解を示した。これを受けてウォンは対ドルで急伸し、市場の変動が一時的に和らいだ。ベッセント氏の発言は、外国為替市場における過度な変動への警戒と、韓国経済の強さを強調する意図を持つものとみられる。

ベッセント氏は14日、韓国財務相との会談後、X(旧ツイッター)への投稿と会見で韓国ウォンの下落について言及した。ウォンは直近10営業日で下落し、25年12月24日以来の弱さを示していたが、ベッセント氏の発言後には一時1.15%上昇し、1ドル=1462ウォン台となった。

ベッセント氏は声明で、為替市場の「過度なボラティリティ(変動性)」は望ましくなく、韓国経済が強固な基盤を持っていることを再確認したと説明した。特に米国経済を支える重要な産業分野での韓国の実績を挙げ、同国がアジアにおける米国の重要なパートナーであることを強調した。

韓国側も同日の会談について声明を発表し、為替市場の動向や最近のウォン安の背景について意見交換したことを明らかにした。また、韓国国内の為替市場のボラティリティを抑えるための対応策を講じる意向を示し、ドル需要と供給のバランス改善に向けた取り組みを進める考えを示した。

ウォン安の背景については、国内外でさまざまな要因が指摘されている。中央銀行や金融当局は居住者による海外投資の増加がドル需要を押し上げ、為替市場に影響を与えているとの分析を示している。また、海外株売却や投資資金の流出がウォン安圧力を強める一因になっているとの指摘もある。

さらに、ウォン安が経済の実態と乖離しているとの認識は韓国側にも存在し、金融当局は必要に応じて政策対応を行う姿勢を示している。為替市場の乱高下は金融政策や資本流出入の動向、安全資産への資金シフトなど複数の要因が絡む複雑な現象であり、単純な需給だけでは説明しきれないとの見方もある。

両国はまた、2025年11月に締結された貿易・投資協定についても協議し、その「完全かつ真摯な履行」が市場の安定や経済関係の強化につながるとの認識で一致した。この協定は米国が韓国からの輸入品に対する関税を引き下げる見返りとして、韓国が米国戦略分野への大規模投資を行う内容を含むものだ。

専門家は今回のベッセント氏の発言が為替市場における政策協調の意思表明であるとともに、市場心理の安定を図る狙いがあると解説している。ただし、ウォン相場の中長期的な動向については依然として不確定要素が多く、今後の政策対応や国際金融環境の変化に左右される可能性が高い。

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