◎デモは首都ヌルスルタンを含む10都市以上で行われた。
1月4日、カザフスタンの主要都市で燃料価格の高騰に抗議するデモが開催され、一部地域でデモ隊と警察が衝突した。
現地メディアによると、デモは首都ヌルスルタンを含む10都市以上で行われたという。
ヌルスルタンの治安部隊はデモ隊に催涙ガス弾を撃ち込んだと伝えられている。最大都市アルマトイでは暴徒化した市民数千人と治安部隊が衝突した。報道によると、当局は暴動に関与した一部のデモ参加者を拘束したという。
カシムジョマルト・トカエフ大統領は4日に放送されたテレビ演説の中で警察に対する攻撃を厳しく非難し、アルマトイと西部マンギスタウ州で非常事態を宣言した。
ロイター通信によると、非常事態宣言には夜間外出禁止令と集会禁止令も含まれるという。
カザフスタンは石油、天然ガス、ウラン、クロムなどの天然資源に恵まれた国だが、当局は昨年末頃から調理や暖房などに使用する液化石油ガス(プロパンガス)の価格を引き上げ、混乱を引き起こした。AP通信によると、その価格は1月1日時点で従来の倍以上に値上がりしたという。
アルマトイの抗議者は治安部隊の圧力に屈することなく前進し、一部の市民は警察に石を投げつけた。AFP通信によると、衝突で警察官数人が負傷したという。
当局はアルマトイのインターネット通信を遮断したと伝えられているが、詳細は不明。
トカエフ大統領は4日遅くのツイートで、「国の治安を回復するために、燃料価格の引き下げに向けた取り組みを開始する」と述べた。
またトカエフ大統領は抗議者に責任ある行動を取るよう促し、5日に緊急閣議を召集すると明らかにした。
非常事態宣言下に置かれたマンシグタウ州の都市ジャナオゼンで2011年に発生した暴動では、石油産業の労働者と治安部隊が激しく衝突し、少なくとも14人が死亡、数十人が負傷した。AFP通信などによると、ジャナオゼンでは昨年末から抗議デモが続いていたという。