◎インドネシアは環太平洋プレートに沿って形成された火山大国であり、多くの火山が活発に活動し、大きな地震が定期的に発生している。
2022年11月21日/インドネシア、西ジャワ州チアンジュールの土砂崩れ現場(Rangga Firmansyah/AP通信)

インドネシア当局は22日、ジャワ島西部で21日に発生したM5.6の地震について、これまでに少なくとも62人の死亡を確認し、数百人が負傷したと発表した。

米地質調査所(USGS)によると、震源は西ジャワ州チアンジュール近辺。地震の規模を示すマグニチュードは5.6。震源の深さは10km。

一部のメディアは当局者の話などを引用し、162人の死亡が確認されたと報じている。

国家防災庁によると、軍・警察・救助隊は24時間体制で救助活動を続けている。数百人が市内の医療機関に搬送され、その多くが屋外で治療を受けた。

地元メディアによると、チアンジュールの人口密度はジャワ島の他の地域に比べると高いという。

山間部では地滑りが発生したと報告されている。住宅が巻き込まれたかどうかは明らかになっていない。

国家災害庁は死者数を62人と報告しているが、西ジャワ州知事は「162人の死亡を確認したという報告を受けた」と説明している。

同州政府は声明で、「326人を倒壊した家屋や瓦礫の中から救助し、その多くが重傷である」と報告している。

また同州政府は「土砂崩れなどで道路が寸断され、一部の町や集落が孤立している」とし、死傷者数は時間と共に増加するという見方を示した。

国家災害庁はこの地震で家屋2200戸以上が被害を受け、1万3000人以上が避難を余儀なくされたと明らかにした。

一方、チアンジュールの当局者はAFP通信の取材に対し、「家屋の倒壊に巻き込まれた多くの負傷者が骨折などの重傷を負っている」と説明した。

また当局者は「一部の町や集落ではまだ多くの住民が救助を待っている」と述べた。

被害の全容はまだ明らかになっておらず、広い範囲で停電が発生しているようだ。

西ジャワ州政府はツイッターに、「市内の医療機関も停電の影響を受けており、多くの負傷者が病院の駐車場で治療を受けた」と投稿している。

また同州政府は「停電の完全復旧には3日程度かかるかもしれない」と警告した。報道によると、西ジャワ州全土でインターネットの通信速度が低下し、電話もつながりにくい状態が続いているという。

揺れは震源から100kmほど離れた首都ジャカルタでも感じられた。報道によると、多くの市民が高層ビルから避難したという。被害は確認されていない。

ロイター通信の取材に応じたジャカルタ在住の男性は、「地震には慣れているが、携帯のアラームがなり、周りの人が騒ぎ始めたので、思わず避難した」と語った。

高層ビルの上階にいたというツイッターユーザーは、「横揺れが数分続き、気分が悪くなった」と投稿している。

高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長く、長周期の波と共振しやすい。そのため、共振すると長時間にわたり大きく揺れることがある。

インドネシアは環太平洋プレートに沿って形成された火山大国であり、多くの火山が活発に活動し、大きな地震が定期的に発生している。

北部アチェ州沖で2004年末に発生したM9.1の大地震(スマトラ沖地震)では約23万人が死亡した。

今年2月には西スマトラ州でM6.2の地震が発生。少なくとも25人が死亡、460人以上が負傷した。

昨年1月に西スラウェシ州で発生したM6.2の地震では100人以上が死亡、6500人近くが負傷している。2018年のスラウェシ地震では2000人以上が死亡した。

2022年11月21日/インドネシア、西ジャワ州チアンジュールの住宅地、行方不明者を探す救助隊(Rangga Firmansyah/AP通信)
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