◎インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。
2014年5月2日/インドネシアの反政府組織「自由パプア運動」の戦闘員(Getty Images)

インドネシアの警察当局は16日、ニューギニア島のインドネシア領パプア州で分離主義者と思われる武装集団が銃を乱射し、少なくとも10人が死亡したと発表した。

パプア州では昨年、反政府組織「自由パプア運動(OPM)」の戦闘員が複数の学校に火を放ち、教師2人を殺害して以来、緊張が高まっている。

警察によると、銃を乱射したのは独立派の反政府武装組織「西パプア民族解放軍(TPNPB)」の戦闘員と思われる。

警察の報道官は声明で、「武装した約20人は州郊外の村に押し入り、食料品店の準備をしていた7人と通行人4人を撃った」と説明した。

警察によると、撃たれた11人はいずれも男性で、インドネシア本島の出身者だったという。7人は即死、3人は搬送先の病院で死亡した。残り1人の容体は明らかにされていない。

地元メディアはTPNPB報道官の声明を引用し、「我々は侵略者にこの島から離れるよう何度も警告してきた」と報じている。また報道官は、「インドネシア政府のプロジェクトに関与する者は侵略者の一部と見なされるだろう」と述べている。

インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。

パプアの先住民族であるパプア人とインドネシア当局は数十年に渡って対立しており、紛争が絶えない。

インドネシア政府はジャワ人などをパプアに移住させる政策をとっており、現在は独立派を抑えるために経済開発を促進しようとしている。

今年3月には、反政府組織の戦闘員が通信塔を修理していた技術者8人を射殺した。2018年12月には建設労働者と兵士少なくとも31人が殺害されている。

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